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大混戦のJリーグ優勝争い 頂点を狙う7チームの強みと課題を水沼貴史が解説 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【補強後の様子に注目の名古屋、浦和】

 名古屋はマテウス・カストロがサウジアラビアのアル・タアーウンへ移籍し、その代わりにサンフレッチェ広島から森島司が電撃的に加入した。このキャラクターの変更は、少なからずチームへの影響があると思う。

 マテウスはスピードと突破力が強みだったが、森島はパスの出し手になれるタイプだ。キャスパー・ユンカーは動き出しがいいので、森島のパス能力とは非常に相性がいいはず。さらに、前田直輝の復帰も大きい。カウンターを警戒されて相手にブロックを作られ攻撃が停滞した時に、前田のドリブルでの突破力は打開の糸口になる。

 長谷川監督は今の名古屋の良さを消された時に、どうやってそれを上回るかを考えているはずで、そのオプションとして森島の司令塔としての能力と、前田のドリブルは必要と考えたのだろう。

 浦和は安部裕葵や中島翔哉という前の選手を獲得したけれど、彼らがどのような形でチームに入っていくのか。それに伴って、前線のほかの選手にどのような影響が出るのか気になっている。今季は安居海渡がトップ下で台頭しているが、中島が入るとしたらおそらくトップ下だろう。

 その場合、安居はボランチに下がる選択肢もある。伊藤敦樹とは流通経済大で一緒にプレーしていたので、信頼関係のある2人のコンビは楽しみだ。安居はうまいし、献身性もあるので、個人的に非常に注目している選手の一人だ。

 ほかにも小泉佳穂、関根貴大、早川隼平、大久保智明と選手が充実しているなかに、安倍、中島をどう組み込んでいくのか。いずれにしても浦和は得点数の少なさが喫緊の課題で、点が取れる中島は大きい存在になるかもしれない。それとホセ・カンテと相性の良い組み合わせをいかにして見つけるかだ。守備は抜群なだけにそこがポイントになるだろう。

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