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サガン鳥栖指揮官「僕は運という言葉は使わない」 湘南戦大勝&上位浮上は「必然」だった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「むっちゃ、準備はしてきました。湘南はファーにクロスでヘディングというのが多かったので、そこを徹底的にGK練習でやった。結構、何度も食らいましたね。そこで立ち位置とかを修正していただけに、自信がありました。まさに、練習の賜物だったと思います。でも、今シーズンはハイボールへのチャレンジを大切にしているので、前半、(前に)出られない場面があって、そこで出られていたら、その後のプレーも楽になったはずです」

 その自戒が、朴をJリーグ屈指のGKたらしめているのだろう。彼らの天井はまだ見えていない。

「一番は、サッカーができてよかったという気持ちですね。3カ月のブランクはサッカー人生で初めてだったので。体が緊張しているのか、アップだけでめちゃ腹が減って(笑)」

 ハムストリングのケガから3カ月ぶりに復帰したFW富樫敬真は、そう振り返った。交代出場すると、6点目のアシストを決めた。

「『(1対1から抜け出したところは)あんなフェイント持っていたんだ』って言われました。唯一のフェイントで、ネイマールばり(笑)。抜け出したところ、ニア上に撃ち抜くことも考えましたが、足がパンパンだったし。カバ(樺山諒乃介)がいいところにいるな、っていうのは見えていた。今日は20分くらいの出場でしたけど、試合と練習は違いますし、少しずつ体を馴染ませながら、まだまだやりますよ!」

 富樫の復帰は、後半戦に向けて「補強」も同然だ。

 湘南戦の大勝は運でも、偶然でもない。積み重ねてきた原理、法則のなかにある。それが川井・鳥栖の強みだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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