清水エスパルス秋葉忠宏監督「ビルドアップは興味がない」 超攻撃的サッカーを目指し「世界と違うことをやっていたら意味がない」 (3ページ目)
秋葉スタイルは、西野朗監督時代のガンバ大阪をほんのりと匂わせる。2点とられたら3点とって勝つスタイルを確立し、2005年にはリーグ優勝を果たした。ただ、その時のガンバとエスパルスの違いは、バランスだ。これまでエスパルスは、5試合のクリーンシートを実現しており、攻守のバランスがいい。
――05年、ガンバのスタイルをちょっと意識したりしていますか。
「僕は西野さん以上になりたいですし、オシムさんにも負けたくない。西野さんは、2点とられたら3点とれと言いますけど、僕は4点とってゼロで抑えます。攻守のバランスはどの監督も悩むところなんですが、僕は水戸時代に一度、攻撃に振りきったサッカーをしたんです。その時、合計で68点とって、62点とられて守備どこ行ったぁって感じだったんですが、エスパルスではできるだけ失点はゼロに抑えたい。だから、いわき戦の9-1の1失点が気に入らない。4-0で勝てるサッカーをエスパルスはできると思いますし、それがJ1に上がった時に活きてくると思っています」
――秋に向けては、9点とられたいわきも相当研究してくるでしょうし、難しい試合が増えていきますが、もう対策は考えていますか?
「もう次の手に着手しています。ふた回り目になれば、当然、相手も研究してくるでしょうし、それを上回っていかないといけない。しかも相手は200%で向かってくる。最近はスカウティングとかあてにならないんです。うちとやる時は戦術を変えてガチガチの守備できたりするのでビックリですよ。でも、そういう相手に勝って、J1に行くのは当たり前。その先どうするのかを選手に描かせつつ、僕は5カ年計画でJ1のチャンピオンを目指していけるチームにしたいと思っています」
(おわり)
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。
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