Jリーグ4月のベストイレブンを独自選考 「屈指のクオリティ」「他を圧倒する存在感」「手がつけられない破壊力」を見せた選手たちは誰か (3ページ目)
【ゴールでチームを牽引したFWたち】
FWは大迫勇也(ヴィッセル神戸)、アンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス)、ドウグラス・ヴィエイラ(サンフレッチェ広島)を選出。
大迫は首位・神戸を象徴する存在で、4月は5試合4得点とエースとして結果でチームを牽引した。その上で違いを見せたのは卓越したキープ力である。大迫の相手を背負いながらでも起点を作るプレーは、神戸の攻撃を迷いなく縦へ突き動かす前提条件だ。献身的なプレッシングでも守備のスイッチを入れ、かつての輝きを取り戻したようなハイパフォーマンスを披露した。
4月に5試合5得点とゴールを量産したアンデルソン・ロペスは、現在シーズン7得点。6得点の大迫、伊藤、町田修斗(湘南ベルマーレ)らを凌いでランキング単独首位につけた。とりわけ圧巻だったのは、首位神戸との対戦となった第9節。終盤の逆転を呼び込んだアンデルソン・ロペスの2ゴールは、王者のプライドと勝負強さを示すものだった。得点のみならず、ライン間で起点となるポストプレーは、ビルドアップで攻撃を前進させる出口となった。
広島は終盤のドウグラス・ヴィエイラとエゼキエウ投入で得点を奪いにいく形が、必勝パターンとなりつつある。
後半の途中までナッシム・ベン・カリファ、満田誠、森島司の前線3人による絶え間ないプレスと鋭いカウンターで、相手を疲弊させるお膳立ては必須。そこから投入されたドウグラス・ヴィエイラが第6節鹿島戦で逆転の2ゴール、第7節サガン鳥栖戦の決勝点、第8節横浜FC戦のダメ押しと3試合連続ゴールで5連勝を手繰り寄せた。
そして第10節C大阪戦でも、後半アディショナルタイムにエゼキエウのクロスから劇的な決勝点を叩き込むなど、ジョーカーとして手がつけられない破壊力で勝ち点3をもたらした。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
◆【画像】ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、名古屋グランパスほか、J1全18チーム序盤戦フォーメーション
3 / 3