Jリーグ4月のベストイレブンを独自選考 「屈指のクオリティ」「他を圧倒する存在感」「手がつけられない破壊力」を見せた選手たちは誰か (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【プレーの鋭さや存在感を感じさせたMF陣】

 MFは武藤嘉紀(神戸)、米本拓司(名古屋)、奥埜博亮(セレッソ大阪)、伊藤涼太郎(アルビレックス新潟)を選出。

 首位の神戸において、武藤のコンディションのよさは際立っていた。強みであるフィジカルとスピードを生かして右サイドを支配し、相手のラインを幾度も押し込んだ。第6節京都サンガF.C.戦での、ドリブル突破から大迫勇也へのアシストは圧巻で、第8節鹿島アントラーズ戦での2ゴールも調子のよさを感じさせた。

 名古屋の米本は守備の強度とカバーエリアの広さ、切れない集中力によるプレーの連続性、鋭いインターセプトは他を圧倒する存在感があった。第8節、アウェーの川崎戦で先制点の起点となったインターセプトは、米本の好調さを象徴するシーンだった。稲垣祥と並び、毎試合約12kmを超す運動量で名古屋の堅守を牽引する存在だ。

 C大阪の奥埜は、今季から新たに取り組む4-3-3システムのインサイドハーフに入っている。持ち味の豊富な運動量は相変わらずで、攻守の局面のどこへでも顔を出す献身性はチームの屋台骨である。そのなかでより高い位置にポジションを取ることで、第6節横浜FM戦のアシストや第8節FC東京戦での2ゴールなど、フィニッシュの局面で質の高いプレーで貢献した。

 新潟の伊藤は、なんと言っても第8節アビスパ福岡戦で逆転を呼び込んだハットトリックだろう。1点目の直接FKが見事なのはもちろんだが、後半アディショナルタイムで決めた流れからの2点目、こぼれ球を押し込んだ3点目は、チームを勝たせる執念とクオリティを見せつけた。

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