横浜F・マリノスが首位ヴィッセル神戸に示した「王者の壁」 水沼宏太「負ける気はしなかった」 (3ページ目)
「90分間、高い強度で戦うことができました。アグレッシブにボールを握って、セカンドを拾う姿勢もすばらしかった。波がないプレーだった」(横浜FM/マスカット監督)
横浜FMは総合力で優った。
もっとも、神戸は嘆くことはない。後半の頭に大迫のゴールがオフサイドで取り消されたが、勝っていてもおかしくないゲームでもあった。
「自分たちがやっていることは間違っていないので。継続するしかないと思っています。ずっと勝つことは難しいし、ブレずにやる」(神戸/吉田監督)
ただし、今後は上位チームとの試合が続き、真価を問われるだろう。率直に言って、バックラインは盤石とは言えない。
一方、横浜FMは王者の底力を見せた。単刀直入に言って、GKは今も移籍した高丘陽平の穴が埋まっておらず、そこでの精度の低さが失点の危うさにつながっている。ただ、チームデザインは明確で、立ち戻れる場所があるのは、追い詰められた試合で反転攻勢する手がかりだろう。
「続けることで、もっとよくなる手応えはありますよ!」
水沼の言葉である。まだシーズンは3分の1も消化していない。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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