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香川真司の切実な願い...セレッソ大阪に見られる「強み」と「弱み」の変化 ダークホースと期待されながら出遅れた原因 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 もちろん、新シーズンがスタートしたばかりの現段階で、すべてが狙いどおりに進むことなど、どのチームでもありえない。かみ合わない部分があるならば、試合を重ねるなかで調整を図っていけばいいことだ。

 C大阪においても、取り立てて重大な欠陥があるとは考えにくい。MF清武弘嗣を負傷で、FW北野颯太をU-20代表招集(U-20アジアカップ出場)で欠いてもなお、大きな穴を感じることもない。3戦未勝利という現状は、十分に改善が見込めるものだろう。

 指揮官も、「守備の責任感、役割を全うする気持ちは一人ひとりが持っている」と選手への信頼を言葉にし、あくまでも「2トップから始まるプレスでの少しのタイミングのズレ」を守備の課題として挙げている。

 とはいえ、勝利という結果が選手に自信と余裕を与え、さらなる進歩を促すのも事実。このまま負けが込むようなら、些細なズレが取り返しのつかないほどに広がる危険性がないわけではない。

 だからこそ、香川は「何よりチームとしての勝利がほしい」と、切実な願いを口にする。

 小菊監督が語る。

「昨年も厳しい船出(J1第3節まで1敗2分け)のなか、日常のトレーニングや団結力はブレることなく、チームも選手個々も成長を感じた。それをもう一度大切にしたい。私自身がブレるのが一番ダメ。昨年の経験を生かし、チームをもう一度、強く、たくましく成長させられるようにしたい」

 一昨季の12位から昨季は5位へと大きく成績を上げて、確かな成長を感じさせるシーズンを過ごしたC大阪。今季はさらなるレベルアップを目指すからこその、生みの苦しみを味わっていると言えるのだろう。

 はたしてC大阪は、ここから巻き返し、前評判に違わぬ結果を残せるのか。

 とにもかくにも、まずは1勝である。

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