香川真司の切実な願い...セレッソ大阪に見られる「強み」と「弱み」の変化 ダークホースと期待されながら出遅れた原因 (2ページ目)
その原因となっているのは、昨季までの「強み」と「弱み」に変化が見られること。具体的に言えば、昨季までの弱みであった攻撃には改善が見られるものの、強みであったはずの守備にほころびがうかがえるからだ。
「昨年の浦和との対戦では、守備でゲームをコントロールする試合が続いたが、今年取り組んでいるボール保持、ビルドアップからの攻撃では成長が見られたゲームだった」
逆転負けを喫した浦和戦後、C大阪を率いる小菊昭雄監督はこう語る一方で、「しかし」とつないで、話を続ける。
「昨年の我々の強みであった守備では、ここ数試合失点が続いている。難しい両輪のバランスだが、(弱みを改善しながら)自分たちの強みも強固にしていく必要性があると痛感した」
確かに浦和戦を見ていると、4バックにGKキム・ジンヒョンも加わり、低い位置から攻撃を組み立てようとする姿勢ははっきりとうかがえた。
ボランチを経由してサイドへ展開。そこでつまったら、今度は逆サイドへ。ボールを動かしながら、相手のスペースを見つけ出そうとする攻撃は、まだまだ改善の余地があるとはいえ、それなりの成果を示している。
「ボールを持つ(攻撃の)ところで、フィニッシュまでいく形は練習どおりにやれた」と手ごたえを口にしたのは、ボランチのMF鈴木徳真である。
しかしその一方で、開幕からの3試合すべてで2失点。拮抗した展開で進んだ終盤に守備が持ちこたえられず、勝ち点を落とす試合が続いている。
浦和戦でゲームキャプテンを務めた鈴木は、「70分以降の失点」を「勝てていない大きな理由」と指摘し、こう語る。
「守備のところの共通認識が足りない。相手のビルドアップが不安定だったので、前(の選手)はプレスに行きたいが、後ろ(の選手)は蹴られるならつながせておけばいい、という(考えの)ズレがあった」
1-1の状況で途中出場したMF香川真司もまた、「打開できるかなと思ったが、失点して(1-1に追いつかれて)前に行けなくなった。前から行く意識を共有できなかった」と悔しそうに語る。
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