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「地球を半周する冒険は僕の人生で最良の決断だった」横浜FCのGKブローダーセンが日本での生活で感じたこと (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

【日本の食事は世界一だと思う】

 また日本の食事は「世界一だと思う」と言い、好きなものは「うなぎ、すし、しらす、鍋とか」と、すらすらと日本語で回答する。そして親切な日本人が、彼の弟(レオナルド。2022年8月から半年間、水戸ホーリーホックに在籍)を助けてくれたエピソードも語った。とはいえ、すっかりすべてを気に入ってしまうということは、何事においてもなかなかあるものではない。ブローダーセンは続ける。

「日本にはいいところが多いけど、あまり好きじゃないのは、外でもマスクをしなければいけない風潮かな。ドイツや欧州では、随分前から外ではマスクは不要になっていたよ。マスクで顔を覆っていると、人の表情が見えないから、僕は好きじゃないんだ。

 あと、スポーツを公園でできる機会が少ないこと。ドイツでは公園で誰かがボールを蹴っていたら、すぐに加わって一緒にゲームをしようとなる。でも日本ではそうならないことが多いし、ボール自体を使えない場所も多いよね。

 それからドイツの高速道路は無料だから、それも懐かしいね。僕は自転車にもよく乗るんだけど、日本には自転車用の道があまり整備されていないから、そこも少し残念だな。

 あとはもちろん、ドイツの美味しいパンやソーセージを食べたいと思ったり、ドイツにいる家族や友達に会いたいと思うこともあるけど、全般的に今の日本の生活に満足しているよ」

中編「ブローダーセンが語る、オリバー・カーンとザンクトパウリ」>>

スベンド ブローダーセン 
Svend Brodersen/1997年3月22日生まれ。ドイツ・ハンブルク出身。横浜FC所属のGK。ザンクトパウリのアカデミーで育ち、2014年にザンクトパウリⅡに昇格。ドイツ4部で7シーズンプレーし、その間、トップチームでも6試合出場。U-20ドイツ代表として、2017年のU-20ワールドカップに出場。また2021年には東京オリンピックを戦うドイツ代表のメンバーにも選ばれている。2021年7月に横浜FCへ移籍。すぐにレギュラーを獲得し、以降チームのゴールを守り続けている。

著者プロフィール

  • 井川洋一

    井川洋一 (いがわ・よういち)

    スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。

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