森﨑浩司が選ぶJ1ラストで見ておくべきベストイレブン。「キャリアハイのパフォーマンス」「群を抜く運動量」を誇る選手たち (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

存在感のあるDFたち

ジェジエウ(DF/川崎フロンターレ)

 ほかにアレクサンダー・ショルツ選手(浦和)や谷口彰悟選手(川崎)など候補がいましたが、ケガから復帰したジェジエウ選手の存在感の大きさは、広島との試合で見せつけられました。

 川崎としては裏へのロングボールの怖さがぐっと減って、高いDFラインを保つ上で、彼の幅広くカバーできるスピード、圧倒的な対人能力が欠かせないことを改めて実感しました。GKチョン・ソンリョン選手との連携もスムーズで、谷口選手と2人が揃った時の安定感はJでも屈指の守備ラインだと思います。

 横浜F・マリノスとの第24節では、アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを決めるシーンがありました。ああいったラストワンプレーだったり、難しいゲームだったり、そういうところでの勝負強さや攻撃での期待値も含めて、彼が帰ってきたのは本当に大きかったと思います。

山原怜音(DF/清水エスパルス)

 左サイドバック(SB)は、セレッソ大阪の山中亮輔選手とも迷ったんですが、清水の山原怜音選手を選びました。山原選手はオールラウンダーで、ドリブルの推進力やスピードのあるSBだと思います。そのなかでも、キックの質の高さは目を見張るものがあります。

 両足で蹴れるのも魅力で、左サイドから多くのチャンスメイクをしていますし、セットプレーでも彼のキックは武器で、実際に7アシストと数字も残しています。

 守備面でも体が強く、1対1の場面でも止められるので安定しています。ドリブル突破や高精度のキックなど、見ていてワクワクするし、何かやってくれそうな雰囲気を持っていて、個人的に日本代表で見てみたいSBです。

岩田智輝(DF/横浜F・マリノス)

 岩田智輝選手は、横浜FMではCBやボランチがメインのポジションになりますが、彼の最大の特長である攻撃力というところで、右SBとして選びました。

 タイミングのいいオーバーラップは安定しているし、インターセプトをしてからそのままの勢いで持ち上がり、後ろから数的優位の状況を作ることもできる。ビルドアップ能力も高く、状況判断がよくて簡単にボールを失わない技術もあります。

 もちろん、守備の能力も非常に高い。準備がいいし、どこにパスが出てくるかを的確に予測して、相手の前に入ってインターセプトするシーンはよく目にします。ボールを奪いきる能力も優れていて、攻守に横浜FMにとって欠かせない選手だと思います。

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