森﨑浩司が選ぶJ1ラストで見ておくべきベストイレブン。「キャリアハイのパフォーマンス」「群を抜く運動量」を誇る選手たち (3ページ目)
J1屈指の運動量
野津田岳人(MF/サンフレッチェ広島)
背番号7を受け継いでくれたことで個人的に愛着のある選手ですが、今季ボランチとして能力が開花し、飛躍した今のパフォーマンスはぜひ見ていただきたいと思います。彼がいるのといないのとでは、チームの力が全然違うほど存在感があります。
もともと攻撃の能力に長けていますが、今季、より際立つのは守備力です。とくにボール奪取の部分は非常に成長を感じさせてくれています。それに加えて毎試合チームで一番走っていて、運動量は抜きん出ています。
攻撃になれば彼の展開力によって中盤の底から起点になれるし、左足のパンチ力はミドルシュートやFKで相手の脅威になっています。攻守にチームのバランスを取れる存在になったのも今季の大きな成長です。
スキッベ監督によってボランチの才能を見いだされ、ようやく自分の生きる道、居場所を見つけることができたと思います。
奥埜博亮(MF/セレッソ大阪)
奥埜博亮選手は、今季ボランチのポジションを選出する上で外せない存在だと思います。試合を見ていると「どこにでもいるな」と思うほど、本当に攻守に広い範囲をカバーしていますよね。数字としても毎試合走行距離が12kmを超えていて、運動量はJリーグのなかで群を抜いています。
守備では危ないところを必ず彼がカバーして潰してくれますし、奪ったボールを的確に展開しながらスルスルと上がって、FWを追い越してゴール前まで入って得点も奪ってしまう。それを可能にしている戦術眼もすばらしく、現代のボランチの一つの理想的な選手だと思います。
それだけのパフォーマンスを90分間途切れずに続けられるし、この試合はよくて、この試合はダメだったということもない。その抜群の安定感とハイパフォーマンスが今季のC大阪の好調を支えていると思います。
鈴木優磨(MF/鹿島アントラーズ)
トップ下には、本当にたくさんの候補がいて非常に悩みました。そのなかで本来はFWですが、鈴木優磨選手を選出しました。
彼は「鹿島を勝たせたい」という思いが誰よりも強くて、強烈なメンタリティによってチームを牽引しています。得点能力はもちろん高いものがありますが、それよりも目を引くのはアシストのところ。
7得点9アシストと、アシストランク1位の数字からもわかるとおり、ラストパスの精度が際立っています。
気持ちが強すぎて相手とひと悶着あったり、レフェリーの判定になにか言ったりということもありますが、彼がボールを持つとなにかやってくれそうな雰囲気があって、どんなプレーをしてくれるのかいつも期待してしまいます。
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