湘南、京都、札幌にあって神戸、G大阪にないもの。J1残留争い、もうひとつの視点 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 舘の反省の弁だったが、判断は別にして、技術的ミスを責めるべきではない。彼を含めて、チームとしてライン間で相手をすりつぶしながら、中央では堅固にクロスを跳ね返し、プレーのイメージは明確だった。戦力的には劣勢でも、勝ち負けに論理性があるチームだ。

 12位の北海道コンサドーレ札幌(勝ち点31)、13位の京都(勝ち点29)も、湘南と分類上は似ている。札幌はより攻撃的で、京都は強度が強い、というキャラクターの違いはあるが、戦力的限界はあるにせよ、プレーのガイドラインが見える。また、15位のアビスパ福岡(勝ち点28)もやるべきことは明白で、前と後ろのパワー、高さに特徴があるチームだ。

 清水は前半戦こそ戦いの形が見えなかったが、早めに監督交代に踏み切り、乾貴士など即戦力を入れたことが功を奏している。同じ静岡のライバルである磐田は、昇格組の勢いを継承できなかった。伊藤彰監督は優れた戦術家だが、クラブのカラーに馴染めず、ヘッドコーチから昇格した渋谷洋樹監督が采配を振るう。

 最終節は11月5日。それまで、どこが残留を確定できているだろうか。

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