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悲劇の武藤嘉紀、別格の大迫勇也、鬼気迫る鈴木優磨...。W杯前の限られたアピール、国内組ストライカー3人の明暗 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

鈴木優磨と闘莉王の共通点

 この日は連戦の疲労からか細かいミスが散見されたが、その分、献身性が光った。とりわけ、数的不利に陥ってからの鈴木のプレーには鬼気迫るものがあった。

 なにより感じられたのは、勝利への執念だ。

 理不尽だと感じれば、相手だけではなく、主審にさえも食ってかからんとする。その振る舞いに賛否があるかもしれない。しかし、矢面に立ち、チームを鼓舞する姿はまさに闘将そのもの。ポジションこそ違えども、かつて浦和レッズと名古屋グランパスに栄光をもたらした田中マルクス闘莉王がオーバーラップした。

 ただし、ハートは熱くとも、頭は冷静だった。87分に絶妙なポジショニングからファーサイドでフリーとなり、和泉竜司の同点ゴールをお膳立て。一瞬の隙を逃さない狡猾なその動きに鈴木の真骨頂を見た。

「5連戦で苦しかったと思いますけど、この最後の試合は勝ち点3を取りたかった思いがあるので、非常に悔しい結果になった」

 手負いの状況で追いついても、それでよしとしない。どこまでも貪欲で勝気な選手である。

 森保監督との軋轢があるだとか、招集されながらも代表を辞退しているという報道もあるが、その真意はさておき、やはりこの男も日本代表には必要なのではないか。勝利をあきらめずに身体を張って闘う魂のプレーを見るにつけ、そう思うのだ。南アフリカでの闘莉王がそうであったように。

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