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昇格組のジュビロ磐田。厳しい戦いが続くなか、フロンターレ戦で示したプラス要素

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 昨季J2を制し、3シーズンぶりのJ1復帰を果たしたジュビロ磐田は、今季ここまで4勝7分け7敗で勝ち点19。勝ち試合は、概ね5試合にひとつの割合だ。

 直近5試合の成績だけを取り出しても、1勝2分け2敗なのだから、開幕当初から、よくも悪くも大きな波はない。数字のうえでは、厳しい戦いが続いているということになるのだろう。

 J2降格圏にわずか勝ち点2差の14位という順位(6月26日現在)にもまた、苦労の様子が表れている。

 とはいえ、内容的に見れば、これまでの磐田の戦いにさほどネガティブな印象はない。

 今季から指揮を執る伊藤彰監督の下、自分たちが志向するサッカーを段階的に浸透させている。そんな状況にあることがうかがえるからだ。

川崎フロンターレ相手に勝ち点1をもぎとったジュビロ磐田川崎フロンターレ相手に勝ち点1をもぎとったジュビロ磐田この記事に関連する写真を見る 直近の第18節、川崎フロンターレ戦を見ても、そうだった。

 磐田は前半こそ、川崎にボール支配率、シュート数など、あらゆる面で圧倒された。どうにかゴール前で耐えることができ、それほど多くの決定機を作られたわけではなかったが、それでも1点は失っている。

 何より押し込まれる展開が長く続いたことで、どうにかボールを奪ったところで、まったく前進することができなかった。これでは攻め手を見出すのは難しい。

 川崎自慢の右サイド、DF山根視来とFW家長昭博の高い攻撃力にさらされ続けた磐田の左ウイングバック、DF松本昌也が振り返る。

「相手にボールを持たれて、低い位置で守備をすることが多く、そこから(攻撃に)出ていくのはかなりキツかった」

 しかし後半に入ると、磐田は攻撃に転じる機会を増やした。試合展開が180度変わったとは言えないまでも、磐田が大きく押し返したことは間違いない。

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