2022.06.27

ヴィッセル神戸が泥沼に足を踏み入れた理由。最下位脱出へ三木谷会長の剛腕にも注目

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

「Dificil de entender」

 6月26日の浦和レッズ戦後、ヴィッセル神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、苦り切った顔で「理解するのが難しい」と、スペイン語で振り返っている。

 後半に入って、神戸は特に守備面で「理解し難い」ミスが続いた。それによって、攻撃がほとんどできなくなった。守りが乱れ、攻撃どころではなく、修正するどころではない。たとえば、完全に中盤で背後を取られて、後ろから引っ掛けて自陣でセットプレーを与え、押し込まれた挙句だった。85分、ダヴィド・モーベルグのFK一発に沈んだ。

 本拠地で0-1と敗戦。アンドレス・イニエスタや大迫勇也をはじめとする日本代表など"J1で最もお金をかけたスター軍団"でありながら、"残留戦"の相手に力なく負け、最下位に沈んだままだ。

「ディフェンス面でのミスが重なった。(最下位という)順位が(精神的に)影響していたのかもしれない。まずいファウルが続いてしまい、最後の相手の得点につながった」

 ロティーナはそう結論づけ、同時に敗因を説明していた。降格がちらつくなか、神戸は泥沼に入り込んだのか?

浦和レッズに敗れ、肩を落とすヴィッセル神戸の選手たち浦和レッズに敗れ、肩を落とすヴィッセル神戸の選手たち この記事に関連する写真を見る  4月まで1勝もできなかった神戸を、ロティーナは「まずは守りから」と立て直しかけていた。

 アジアチャンピオンズリーグでは、2勝2分けで決勝ラウンドへ勝ち上がっている。天皇杯でも、カターレ富山、レノファ山口を苦しみながらも破り、ベスト16に進出した。カップ戦の結果は悪くない。

 しかし、リーグ戦は苦しんでいる。どうにか初白星は飾ったが、監督交代後も2勝1分け6敗と大きく負け越し。開幕前は予想だにしなかった「最下位」に定着しつつある。その焦りか、ひとつひとつのプレーに確信が見えない。うまく噛み合えば力は出るのだが、自信が欠けていることで一定せず、プレー精度が落ちている。そのミスがさらに焦りや苛立ちに変わって、悪循環が起きているのだ。

「いいサッカーをすることで勝つチャンスは増える。ただ、それができない時にミスを犯さないことが重要になる。今は悪い流れに引っ張られている」(ロティーナ)