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Jリーグ再開で福田正博の注目は外国人監督。3人に共通する「優れたバランス感覚」

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■J1は6月18日の第17節からリーグが再開する。シーズンのちょうど中盤に差し掛かり、現在の注目はどんなところになるのか。福田正博氏は混戦になりそうな優勝争いを指摘しつつ、今季は外国人監督の手腕が面白いという。

来日後にチームを好転させてきている、サンフレッチェ広島のスキッベ監督(右)来日後にチームを好転させてきている、サンフレッチェ広島のスキッベ監督(右)この記事に関連する写真を見る

上位3チームに安定感はない

 J1はちょうど折り返しを迎える。ここまでの戦いを振り返ると、今シーズンの優勝争いは勝ち点70前後での争いになるのではと見ている。

 ここ2シーズンは川崎フロンターレが連続優勝しているが、一昨年は勝ち点83。昨年は勝ち点92だった。Jリーグもヨーロッパ各国のリーグ戦のように、上位と下位の力の差が大きいリーグになった印象を受けていたのだが、今年は以前の混戦模様のJリーグに戻った感がある。

 この状況を生み出した要因のひとつは、川崎にある。攻撃陣に昨季までのような爆発力はなく、守備陣も大量失点を喫するケースが見られる。ただ、これは致し方ない面が強い。主力選手を次々と海外クラブに引き抜かれ、守備では大黒柱のジェジエウに加えて、登里亨平も故障で欠くことになったからだ。

 攻撃陣で誤算だったのはチャナティップだ。北海道コンサドーレ札幌で見せていたプレーから、川崎のスタイルにもすぐにフィットすると予想していたが、そうはならなかった。それでも4月下旬にあったACLで2ゴール1アシストをマークして、フィットしてきたかなと思った矢先に故障。なかなか歯車は噛み合わなかった。

 チャナティップほどの選手でも苦労するのが川崎のサッカーであり、あの高度なコンビネーションは、やはり一朝一夕でつくれるものではないということでもある。

 昨シーズンはリーグ戦で1試合3得点以上奪った試合が12試合あったが、今季はここまではゼロ。ここから先も爆発的な得点力は期待できそうもないだけに、どこまで粘り強く戦えるかが3連覇へのカギになるだろう。

 ただ、首位に立つ横浜F・マリノスにしろ、それを勝ち点1差で川崎とともに追う鹿島アントラーズにしろ、気がかりな点がある。それは安定感を欠く試合が目につくことだ。いい時は、抜群にいい。しかし、ハマらないと、複数点を奪われてあっさり負けてしまう。

 優勝するチームは内容が悪くても勝ち点を拾っていくものだが、両チームともそこがまだない。それだけに、現在首位から勝ち点7差までに8チームがいるが、どこのチームが優勝しても不思議はない。混戦模様は秋口まで続いていくのではないか。

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