柏を牽引するアカデミー育ちの若きタレントたち。20歳の新エース、18歳のジョーカー...タイプの異なる5人のFWが続々台頭 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

20歳の細谷は全試合スタメン

 昨季は残留争いに苦しんだ柏だが、今季は見違える戦いを見せている。

 肝となるのは縦に速いサッカーだ。ボールを奪えば、間髪入れずに裏を突く。推進力をもたらすのは10番を背負うマテウス・サヴィオだが、2トップの一角を担う細谷真大の鋭い動き出しも、このサッカーには欠かせない。

 アカデミー出身の20歳のストライカーは、力強いスプリントでスペースを突き、相手を背負いながらくさびも引き出せる。2年目の昨季に28試合に出場して自信を深めたのだろう。今季はここまで全試合にスタメン出場を果たし、4得点をマーク。"新エース誕生"を予感させている。

 G大阪戦でもカウンターに抜け出し、決定的なシュートで相手をひやりとさせる場面もあった。もっとも後半は3バックに変更したG大阪の前に、次第にトーンダウン。経験豊富な昌子源の対応をかいくぐれずに、無念の途中交代となった。それでも日本を代表するCBとのマッチアップは大きな経験となったはずで、この悔しさを糧にさらなるスケールアップが望まれるところだ。

 その細谷に代わってピッチに立ったのは、18歳の升掛友護だ。

 今季ユースから昇格したアタッカーは、ドリブル突破を最大の武器とする。リーグ戦こそまだゴールはないものの、ルヴァンカップでは得点ランクのトップに立つ4ゴールを記録。G大阪戦ではインパクトを残せなかったが、途中出場から流れを変える"ジョーカー役"として存在感を高めている。

 同じく途中出場した21歳の森海渡は、アカデミーからの昇格は叶わなかったが、進学した筑波大で成長を遂げ、同大を卒業前に今季加入した。強靭なフィジカルを生かしたパワフルなプレーが持ち味で、11節の広島戦ではプロ初得点を含む2ゴールを叩き込み、強烈なインパクトを放っている。

 ほかにも、この日のメンバー入りはならなかったものの、今季ユースから昇格した真家英嵩(18歳)、3年目の鵜木郁哉(20歳)もルヴァンカップではそれぞれゴールを決めている。いずれもユースで育ったタイプの異なるFWが5人も試合に絡んでいるのだから、柏のアカデミーの底力を感じずにはいられない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る