2022.05.10

横浜F・マリノスの22歳DFが多機能型選手に変容。日本代表入りも近いと見る

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 J1リーグ第12節。3位の横浜F・マリノスが、14位に低迷する名古屋グランパスをホームに迎えた一戦は、後半40分を過ぎても1-1と競った展開になった。マテウス・カストロ(名古屋)のCKから生まれたゴールが、VARの5分以上の長考の末にオフサイドで覆る幸運や、同じくマテウスに30メートル近いバー直撃のFK弾を見舞われるシーンがあるなど、苦戦を強いられていたのは横浜FMのほうだった。

 首位の鹿島アントラーズがサンフレッチェ広島に0-3と敗れる一方で、2位の川崎フロンターレが、清水エスパルスに2-0で勝利するという、同日の早い時間に行なわれた上位2強の結果はすでに出ていた。横浜FMは、勝ち点を落としたくない試合ながら、現状は苦戦に苛まれながら残り5分+アディショナルタイムという段を迎えていた。

 すでに4人の選手交代を行なっていたケヴィン・マスカット監督が、5枚目のカードをどう切るかに注目は集まっていた。ベンチにいるフィールドプレーヤーは松原健と角田涼太朗。右利きの右SBと左利きの新人CBである。一方、ピッチに目を凝らせば、最も弱っている選手は、名古屋の看板選手、マテウスの対応に追われることが多かった左SBの永戸勝也だった。

 ACL(アジアチャンピオンズリーグ)以前なら、松原健を右SBに投入し、それまで右SBを務めていた小池龍太を左SBに回すというパターンが多かった。ところが後半40分、厳密に言うと39分30秒、永戸に代わってピッチに投入されたのは角田で、そのまま左SBに入ったのだ。

出場時間を増やしている横浜F・マリノスのディフェンダー、角田涼太朗出場時間を増やしている横浜F・マリノスのディフェンダー、角田涼太朗 この記事に関連する写真を見る  角田はACLで、フィールドプレーヤーのなかでは岩田智輝、喜田拓也、小池龍太、西村拓真に次ぐ5番目の出場機会を得ていた。それまでのJリーグの戦いと比較すると、チーム内でのポジションを大きく上昇させていることが一目瞭然だ。ケヴィン・マスカット監督の評価を大きく上げていた選手になる。ACLでは6戦中3試合に先発。1試合がCBで2試合が左SBだった。CB兼左SB。角田はすっかり多機能型選手に変容していた。