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横浜F・マリノスの22歳DFが多機能型選手に変容。日本代表入りも近いと見る (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

推進力やパスセンスも兼ね備えるディフェンダー

 CBがSBとして出場すると、SBの役割は重ためになるのが通例だ。守備を重視した采配に映るが、名古屋戦の終盤は、是が非でも1点がほしい状況だった。そこで「CBとして出場していた選手が左SBとして出場した」と記せば、大きな期待は寄せにくいものだろう。

 ところが、角田が投入されたちょうど1分後、横浜FMに勝ち越しゴールが生まれた。西村のシュートを名古屋GKミチェル・ランゲラックがセーブするも、そのこぼれ球をアンデルソン・ロペスが突いて生まれた得点だった。西村と絡んだのは藤田譲瑠チマだったが、そのひとつ前、藤田にボールを繋いだのは仲川輝人で、その仲川に当てたパスを送ったのが角田だった。

 流れのなかから初めてボールを受けた角田は、左の深い位置から利き足の左足で、素早いタイミングで寸分狂いのない縦パスを仲川に送った。

 CBとしてプレーしている時も、光っていたのは攻撃的なセンスと、それに伴うフィード力だった。左足のキックが冴えるシャープなCBだ。しかしながら、横浜FMにはすでに一定の水準に達したCBが揃っている。岩田智輝、畠中槙之輔、エドゥアルド、實藤友紀。左SBも小池、永戸、小池裕太と粒ぞろいだ。だが、CB兼左SBの多機能型選手となると、チーム内のプライオリティは上昇する。先述した中2日で6試合を戦うACLでの出場時間にそれは表れている。

 184センチ77キロは、CBとしては標準体型だが、左SBとしては大型だ。CB的な迫力を備えた左SBながら、動きは鋭く、ケレンミがない。さらに言えば、ボールを運ぶ推進力、攻撃力、パスセンスも兼ね備える。

 1999年生まれの22歳。前橋育英で高校選手権優勝を飾り、筑波大へ進学したが、昨年、一昨年と、各一度ずつ、横浜FMの特別指定選手としてJリーグの土を踏んでいる(横浜FMへの正式加入は大学4年の夏)。また、昨秋行なわれたU-23アジア選手権では、カンボジア戦にスタメン出場している。

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