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フロンターレはなぜ三笘薫や旗手怜央ら主力の移籍を次々と容認したのか。強化本部長の本音は「頭が痛い」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

日本で結果を残してから海外へ

 一方で、竹内も名前を挙げたように、守田、三笘、田中、そして旗手と、主力へと成長した選手たちが次々に活躍の場を欧州に移している。彼らが日本代表でプレーしている姿を見ると、否が応でも4人がいれば、フロンターレはもっと盤石だったのではと思わざるを得ない。

 選手の欧州流出をどのように捉えているのだろうか。聞けば、はっきりと「単純に頭が痛い」と、本音をこぼしてくれた。

「これについては監督とも話していますが、連続で選手が抜けてしまうのは正直、頭が痛い事態です。ただ、これはうちだけでなく、Jリーグ全体に言える潮流だとも感じています。当然、彼らがチームに残ってくれていればという思いはありますが、その反面、彼らがいなくなったことで出てくる芽もあります」

 さらに竹内は言う。

「クラブとしては決して海外移籍を容認しているわけではなく、引退するまでフロンターレでプレーしてほしいというのがベースとしてはあります。だからといって、容認せずに契約でガチガチに固めようとすれば、うちでプレーしたい選手が減ってしまう可能性もある。

 クラブとしてはしかるべきタイミングと条件、本人の意向に沿って移籍を認める時は認めますけど、編成上、了承できない時もある。その都度、対応していくしかない、というのが現状です」

「ただし」と言って、竹内は言葉を続けた。

「本来、選手のためにも自分の価値を高めて移籍するべきで、価値を下げてまで行くべきではないと、個人的には思っています。そのため、Jリーグで結果を残してから海外に挑戦するべきだということは、選手たちにも話しています。

 だから、うちから海外に移籍していった選手たちも、まずはうちでレギュラーになる。うちでレギュラーになり、Jリーグの舞台で違いを見せられるようになってから挑戦しなさい、とは伝えてきました。

 たとえばですが、もしかしたら(三笘)薫はもっと早く欧州に行きたかったかもしれない。でも、それは今ではなく、チームで結果を残し、東京五輪が終わってからでも遅くないのではないか、という話はしたこともあります。

 最終的には選手自身が決めることですが、新卒で加入する選手にはスカウト含めて、中途半端な結果を残したくらいでは海外には行かせないぞ、というくらいのことは言わせてもらっています」

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