フロンターレはなぜ三笘薫や旗手怜央ら主力の移籍を次々と容認したのか。強化本部長の本音は「頭が痛い」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

川崎フロンターレ強化本部長に聞く「最強チームの作り方」@後編

「大きくテコ入れするのではなく、今までのベースを軸にして、そこにプラスアルファをつけ加えていく方法がいいのではないか。監督とも相談して、そのような結論に至りました」

 2021年より川崎フロンターレの強化本部長に就任した竹内弘明氏は、今季のチーム編成についてこう語った。

 2021年1月に守田英正(→サンタ・クララ)、さらに昨年の夏は三笘薫(→ユニオン・サン=ジロワーズ)と田中碧(→デュッセルドルフ)がシーズン途中に海外クラブへ移籍。しかし一方で、23歳の橘田健人や20歳の宮城天といった若手が頭角を表すなど、ポジティブな面もあったと竹内氏は言う。

◆最強チームの作り方@前編はこちら>>「小林悠は言った、フロンターレは死んでいない」

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旗手怜央は移籍先のセルティックで大活躍旗手怜央は移籍先のセルティックで大活躍この記事に関連する写真を見る ただし、チーム編成はすべてが現状維持というわけではない。

 昨シーズン終了後には旗手怜央(→セルティック)が移籍したように、抜けた穴は埋めなければいけないし、また新しい競争意識を芽生えさせるというか、作り出さなければいけない。

「適正な競争をうながせるような実力のある選手がピンポイントでほしかった。チャナティップ(北海道コンサドーレ札幌→)や瀬古樹(横浜FC→)は、まさにその狙いによって補強した選手になります。

 要するに4人、5人と即戦力になる選手を連れてくるのではなく、目を向けたのは、今の組織をどう活性化させるか。

 また、これはあくまでイメージですけど、出てきた芽に対して重しを乗せるようなやり方はしたくなかった。庄子さんの下で5年間見てきて、チーム編成は薄すぎても厚すぎても機能しなくなるということを学んできました。さじ加減と言ってしまえばそれまでなのですが、絶妙なバランスのうえでこそ成り立ち、そこが大事になってきます」

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