地元出身で生粋のサポーターがプロ選手へ。新生ガンバの担い手・山見大登が辿った新奇な人生 (3ページ目)
その意識の変化はプレーの変化へとつながり、山見は大学屈指のストライカーに成長。スピードに乗ったドリブル突破、得点力が評価され、3年生の時にはガンバとのプロ仮契約を締結した。
「ガンバの練習場やパナソニックスタジアム吹田は、幼少の頃から仲がいい友だちや両親がすぐに見に来られる距離にある、親しみ深い場所。大学生の時に初めて応援する側ではなく、応援される側としてあのピッチに立った時には、感慨深いものがありました。
そのガンバでプロになれて幸せだし、ガンバの一ファンでもあった僕は応援する側の人たちの気持ちもわかるからこそ、できるだけ(試合を)見きてくださった人たちが笑顔でスタジアムをあとにできるような試合をたくさんしたいし、そのためのゴールを決めたい。コロナ禍で、本来のスタジアムの雰囲気のなかでのプレーはまだできていないけど、スタジアム全体がドッと沸くような、あの雰囲気を早く選手として味わってみたいです」
その決意を表すべく、プロ1年目の目標には「ふた桁ゴール」を設定した。特別指定選手として過ごした昨年の時間をアドバンテージにして実現したいと意気込む。
「人見知りもあって、特別指定選手として登録されてからも、最初は自分から周りになかなか話しかけられなくて......。でも、清水戦でゴールを決めて周りの選手から声をかけてもらうことも増えたし、チームの一員として認めてもらえた気もしました。そういう意味では、昨年の約半年間は、自分がJリーグに慣れるだけではなく、チームに適応するうえですごく大きかった」
もっともその活躍によって、持ち味、プレースタイルを含めて、Jリーグでも知られる存在になったことを考えれば、今年はプロ1年目ながらしっかりと相手に対策を練られたなかでプレーする可能性は高い。それを上回る自分をどうイメージしているのだろうか。
「同じタイミングでガンバに加入した石毛秀樹選手(清水→)や福岡将太選手(徳島ヴォルティス→)にも、『(ゴールを)決めたよな』って言われたように、いろんな人があのゴールや僕のプレーを記憶に留めてくれているなかで、プレーする難しさは確かにあると思います。
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