中村憲剛と佐藤寿人のJ1リーグ2022戦力分析。川崎フロンターレの不安要素、3連覇を阻む対抗馬は? (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- 川崎の対抗馬となりそうなのは、どこでしょうか。

佐藤 浦和ですかね。選手もだいぶ入れ替わって、本当の意味で勝負の年になると思います。

中村 浦和は天皇杯を獲ったことが大きかったと思います。リカルド・ロドリゲス監督自身就任1年目でしたし、説得力を持たせるためにもタイトルは欲しかったはず。結果を残せなければ、あれだけ選手を入れ替えることは難しかったのではないかと思います。

 槙野(智章/→ヴィッセル神戸)、宇賀神(友弥/→FC岐阜)、(興梠)慎三(→札幌)と、これまでの浦和を引っ張ってきた選手を放出しましたけど、天皇杯を獲っていなければ、あのような形でお別れできなかったと思います。

---- 残っているのはチーム在籍2年以内の選手がほとんどですからね。

中村 そこは、まさに監督の考えが反映されていると思う。自分の色を出すために、必要な選手を連れてくる。今年も10人くらい入れ替えがありますよね。しかも、J2でプレーしていた選手が多い。岩尾(健)、馬渡(和彰)と徳島時代の教え子も獲りましたしね。

 ロドリゲスのプレーモデルにフィットするであろう選手を獲得する、という補強策ですよね。これは前にも言いましたが、フロントと監督のコミュニケーションがしっかり取れているからこそ成立するものだと思います。スタートダッシュがうまくいけば、浦和は面白い存在になるんじゃないですかね。

---- 新監督を迎えたチームが多いのも、今季のトレンドですよね。J1では7チームが新たな監督を招聘しています。

佐藤 しかも、ヨーロッパ系が多い。ブラジル人監督は、柏のネルシーニョだけになりましたから。

中村 ひとりなんだよね。鹿島がスイス人監督(レネ・ヴァイラー)になったのは驚きでした。広島もドイツ(ミヒャエル・スキッベ)から招聘しましたし。

佐藤 入国制限で来日できていないから、まだどういうチームになるのか見えてこないんですよ。

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