J1全順位予想。識者5人が推す優勝候補は3チーム。残留争いは半数以上が関わる激戦
30年目のシーズンを迎えるJ1リーグがまもなく開幕する。はたして今季は、どんな戦いが繰り広げられるだろうか。Jリーグに精通する識者5名に、優勝、残留争いの行方を含めてJ1全順位を予想してもらった――。
富士フィルムスーパーカップでは、浦和レッズが今季3連覇を狙う川崎フロンターレに完勝したこの記事に関連する写真を見るACL次第も消去法による優勝候補最右翼は川崎
逆転あるなら、継続性が目を引く神戸か浦和か
中山 淳氏(サッカージャーナリスト)
1位 川崎フロンターレ
2位 ヴィッセル神戸
3位 浦和レッズ
4位 名古屋グランパス
5位 FC東京
6位 鹿島アントラーズ
7位 セレッソ大阪
8位 横浜F・マリノス
9位 ガンバ大阪
10位 アビスパ福岡
11位 北海道コンサドーレ札幌
12位 サンフレッチェ広島
13位 ジュビロ磐田
14位 湘南ベルマーレ
15位 清水エスパルス
16位 京都サンガ
17位 柏レイソル
18位 サガン鳥栖
直近5シーズンで4度の優勝を誇り、しかも目下2連覇中。まさに黄金期の真っ只中にある王者・川崎が、今季も大本命になる。
ただし、主力選手が続々とヨーロッパに旅立ったこともあり、戦力的にダウンした印象は否めない。そういう意味では、他チームとの比較において、消去法による優勝候補最右翼という評価が実際のところ。悲願のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝にエネルギーを注ぐことも予想されるだけに、リーグ優勝を逃しても不思議ではない。
その川崎を脅かす存在が、昨季からの継続性によってチーム力がアップしそうな神戸と浦和だ。
昨季3位の神戸は、トーマス・フェルマーレン(引退)の後釜に槙野智章(浦和→)を補強し、中盤には扇原貴宏(横浜FM→)を獲得。シーズン途中に大物新戦力を獲得する資金力もあるため、たとえACLに参戦しても最終的には上位争いに加わるだろう。
一方の浦和は、リカルド・ロドリゲス監督のサッカーが浸透し、戦術に沿った補強策を実行した点がプラス材料。昨季も多くの選手を起用してきた指揮官の方針を考えれば、ACLとリーグ戦で選手をやり繰りすることもできるはず。伸びしろの部分を含めれば、予想以上の躍進を遂げる可能性を秘めたチームだ。
また、守備からのチーム作りに定評のある長谷川健太監督が就任した名古屋も、継続性が期待できるチームに数えられる。逆に、充実の戦力を誇るFC東京と鹿島は、新監督がどれだけ早い段階でチーム戦術を落とし込めるかが最大のカギになる。
一方、残留争いに目を向けると、主力が大量流出したうえ、金明輝監督が退任した鳥栖が最も厳しい状況。毎年のように選手を引き抜かれても必ず予想以上の成績を残してきた神通力が、今季も続くのかは疑問だ。
神通力という点では、柏のネルシーニョ体制も同じ。多くの主力を失ったなか、指揮官にチームを蘇生させるエネルギーが残されているのか。現状を評価すれば、厳しいと言わざるを得ない。
その他、京都、清水、湘南、磐田あたりも、残留争いに巻き込まれる可能性を秘めたチームに挙げられる。
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