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「成績が基準に到達しなければサッカーに行かせない」。中村憲剛が「文武両道は絶対」と息子に伝える理由

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

親と子の関りについて語る中村憲剛氏親と子の関りについて語る中村憲剛氏中村憲剛インタビュー後編

 育成年代のサッカー指導に関わり、U-12全国大会の好プレー動画も制作した中村憲剛氏。自身の息子もサッカー少年ということもあり、親としても子供の成長、教育についてさまざまな思いを抱いている。その中村氏に、小学生のサッカー少年・少女を持つ親に向けたメッセージを伺った。

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【文武両道は絶対】
 
 文武両道は中村家では絶対です。僕ら親が設定した基準の成績に到達しなければ、サッカーには行かせません。それは、勉強をするということがゆくゆく自分を助けることになるからです。プロサッカー選手として18年間プレーしてきたなかで、僕だけではなく一緒に過ごしてきた妻も、サッカーだけしてればいいという発想はまったくありません。だから、成績のことはかなり口を酸っぱく言っています。

 そして、勉強をすることで考える癖をつけること、いい意味で頭を柔軟にしておくことはサッカーに生きると僕は思っています。サッカーは創造性が求められるスポーツであり、感覚的なところ、瞬間でのイマジネーションや判断がとても大事です。その瞬間にすばらしいプレーをできるかどうかは、日ごろ物事に対してさまざまな角度で考えている癖がついているかどうかだと思っています。

 しっかりと勉強することで、いろんな知識を吸収して幅を広げること、頭を働かせることで柔軟な発想ができるようにしたうえで、サッカーをする。本を読むこともそうですね。想像力はサッカーにおいてすごく大事だと思っています。

 プロに入ってくる新卒の選手たちは、ほとんどの選手が入った直後から苦労します。とくに高卒の選手たちですね。それはそうだと思います。それまでは18歳という同学年以下の選手のなかの争いだからできたわけで、そこでの活躍を評価されたうえでプロに入りますが、プロに入ると酸いも甘いも噛み分けた百戦錬磨の先輩たちがしのぎを削る、シビアな世界にいきなり飛び込むわけです。

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