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Jリーグは世界でどう観られているか。ブラジルでは人気低迷、タイでは高騰中

  • text by Sportiva
  • photo by AP/AFLO

Jリーグ2022開幕特集

 2012年から、テレビ放送を利用したアジア諸国での露出拡大を図ってきたJリーグ。現在ではアジアにとどまらず、ヨーロッパやアフリカを含めた多くの国で視聴が可能になったという。昨年6月のJリーグの発表によれば、昨シーズンはインドやバングラデシュなどが新たに加わり、全世界で60を超える国・地域での放映が実現されることになった。

川崎フロンターレに移籍したチャナティップ・ソングラシン。タイでは絶大な人気を誇る川崎フロンターレに移籍したチャナティップ・ソングラシン。タイでは絶大な人気を誇るこの記事に関連する写真を見る Jリーグの海外での放送といえば、パイオニア格はブラジルだろう。開幕時には、とにかく自国のビッグネームが見られると、多くの試合が「TVカルチャー」「TVマンチェーチ」「TVバンデイランチス」といった地上波で生中継されていた。

 こうした状況が10年くらい続いた後、「FOX TV」や「ESPN」が権利を獲得して放送する時代が続き、2020年は「DAZN」がいくつかのJリーグの試合を配信していた。しかし、「DAZN」の契約金はブラジル人にとってはかなり高額で、金を払ってまで見ようという人は少なかった。

 なによりJリーグ自体が変わってしまった。現在のJリーグにもブラジル人の選手は在籍するが、ほとんどはブラジルで知名度のない選手だ。だから今、ブラジルの人々の間でJリーグが話題に上ることはほとんどない。ジーコが日本を去った今季、Jリーグの情報はもっと少なくなるだろう。

 実は現在、日本の試合を見られる可能性があるのは「イレブンスポーツ」というかなりマイナーなストリーミングサイトぐらいだ。時折り思いついたように、いくつかの試合がアップされる。このサイトではなぜか関東フットサルリーグや北信越フットボールリーグといったものも放送されている。とにかくJリーグの試合をブラジルで見るのは、今日ではかなり難しくなってしまった。

 これは非常に残念なことではあるが、ポジティブな面もあると現地のジャーナリストは言う。「草創期のJリーグは引退間近のスター選手をかき集めた興行だと思われていた。現在の状況は、Jリーグがもうただの見世物ではなく、本物のサッカーのリーグになったという証拠。かつてのスター頼みではない、優秀な日本人による日本のリーグになったのだろう」と言うのだ。

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