Jリーグは世界でどう観られているか。ブラジルでは人気低迷、タイでは高騰中 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by AP/AFLO

【スペインはイニエスタを忘れない】

 ちなみにブラジルで最も名の知られているJリーグのチームは、もうこれは間違いなく鹿島アントラーズだ。ブラジルサッカー界の英雄ジーコが深く長くかかわり、ジョルジーニョ、レオナルド、ビスマルクなど、名の知れた選手が多く所属した。

 第2位は東京ヴェルディ。ブラジルでは昔のヴェルディ川崎の名前のほうがポピュラーかもしれない。理由は、プロ化する前からブラジルと縁が深く、ラモス瑠偉などの選手が活躍していたこと、選手としても監督としても活躍したブラジルのレジェンド、ペペがチームを率いたことがあったこと、そして三浦知良のチームでもあったからだ。

 そして3番目は柏レイソル。レイ(王様)、ソル(太陽)というポルトガル語風のチーム名が覚えやすかったこともあるが、なによりブラジル代表のカレッカ、ミューレル、エジルソンがプレーしたことが大きかった。

 一方、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)の母国スペイン。現在、Jリーグの放送はない(ヨーロッパで視聴可能なのはイギリス、ドイツなど)。イニエスタが来日すると、「DAZN」で神戸の試合が見られた時期もあったが、今季についてはまだ何の発表もない。

 ただし、 スペイン国内で人気の高いイニエスタは、今もスペインメディアで定期的にニュースの対象となっている。

「イニエスタ絶好調。ヴィッセルで100試合目を達成」

 昨年11月、スペイン大手スポーツ紙「アス」はそんな見出しで、横浜FCに敵地で0-2と勝利した試合を伝えている。「イニエスタは前半45分間の出場で、"牛"(神戸牛のことか?)の勝利に貢献するのに十分だった。大迫(勇也)のゴールをアシストしただけでなく、PKも決めた。10月にはリーグの『月間MVP』にも選ばれている。イニエスタは元バルサのチームメイトらとともに、来季はアジアチャンピオンズリーグ優勝を目指して戦う。契約は2024年1月までだ」といった調子だ。

 イニエスタの存在が旗印になって、最近はスペイン人監督、選手がJリーグのクラブへ渡っていることも報道されている。関係者の間では、日本サッカーが近い存在になりつつあるという。今シーズンも水面下では、有力なスペイン人監督や選手との交渉が盛んに行なわれていた。

 まさに、イニエスタがJリーグの顔になっているのだ。

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