2022.01.08

「一番の武器はメンタル」青森山田の10番、松木玖生。Jリーグでも抜群の存在感を発揮できるか

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

Sportiva注目アスリート「2022年の顔」 
第8回:松木玖生(サッカー)

(第7回:森敬斗(プロ野球)「人の心を動かせる選手になりたい」>>)

スポルティーバが今年とくに注目するアスリートたち。その才能でどんな輝かしい活躍を見せてくれるのか。「2022年の顔」と題して紹介する。

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今季Jリーグ入りする松木玖生の活躍は楽しみだ今季Jリーグ入りする松木玖生の活躍は楽しみだ この記事に関連する写真を見る

【誰よりも戦える選手】

 北海道の室蘭市から青森県青森市内まで約380km。電車で行けば4時間半、車を走らせれば7時間半の距離がある。

 そんな見ず知らずの街で、中学生が親元を離れて新たな生活をスタートさせるとなれば、尋常ではないエネルギーと覚悟が必要だろう。だが、12歳の少年に迷いはなかった。

「このままではさらに成長できない。自らの意思でもっと厳しい環境を選ばないと上に行けない。覚悟を決めて青森に行く」

 12歳で人生を懸けた決断ができる者はそう多くはない。ただ、ここには同じ想いを持った選手が大勢集まってくる。日本でもっとも熾烈な争いが繰り広げられる"青森山田行き"を決めた時点で、松木玖生の道はほとんど決まっていたのかもしれない。

 中等部入学直後からトップチームでプレーし、1年生ながら全国中学校サッカー大会に出場。メキメキと頭角を現すと、2年生夏の同大会ではレギュラーだった。2-1で宮崎日大中に勝利した1回戦で目立っていたのは、当時ボランチでコンビを組んでいた1学年上の藤原優大(現・SC相模原)のほう。しかし、松木はとても下級生とは思えない負けん気の強さを見せていた。

 35度を超える劣悪な環境で水準以上のプレーを披露し、当たり負けする場面もなければ、足も最後まで止まらない。先輩たちにも容赦なく檄を飛ばすスタイルも当時から変わらず、誰よりもピッチで戦える選手だった。

「一番の武器はメンタル」。本人だけではなく、高等部の黒田剛監督も認める"ハートの強さ"は、上のカテゴリーでプレーする機会が多かった小学生の時の室蘭大沢FC時代に培われた。そして、常に激しい競争に曝される青森山田に入学したことで、その武器がさらに磨かれていく。