青森山田とかつての「常勝軍団」国見。驚異的な強さを誇る2校には共通点が多い
青森山田の強さばかりが際立った試合だった。
全国高校サッカー選手権大会準決勝。青森山田は高川学園に6-0で圧勝し、決勝進出を果たした。
相手の高川学園は今大会、「トルメンタ」をはじめとしたセットプレーを武器に快進撃を続けてききた。ベスト4に駒を進めた4校のなかで、勢いという点では最も大きなアドバンテージを持っていたと言ってもいいだろう。
だがしかし、今季、全国高校総体に加え、プレミアリーグEASTも制した高校サッカー界の横綱は、まるで動じることがなかった。
試合開始3分にして、FKで先制点を奪うと、26分にはCKから追加点。高川学園は粘り強く失点を防ぎ、ロースコアゲームに持ち込みたかったはずだが、その望みは試合序盤にして打ち砕かれた。
前半なかばまでにセットプレーから効率よく得点を重ねた青森山田は、後半にも心身両面でエネルギーきれとなった高川学園から大量4得点を奪い、最後までつけ入るスキを与えなかった。
「青森山田らしいサッカーをしようというのが今日のテーマだった。過去3試合を振り返ると、相手を研究したことが頭に入りすぎて、自分たちのサッカーを見失っていた」
そう語る青森山田の黒田剛監督も、「何でもできるサッカーを志向して1年間やってきた。それをしっかりやろうということで肩の荷が降りて、のびのびできたのではないか」と、"らしさ"を取り戻した選手たちを称えた。
「自分たちらしいサッカーをしよう。プレミアリーグでできたものが選手権でできないわけがない」
青森山田のキャプテン、MF松木玖生もそんな気持ちでこの試合に臨んでいたと明かす。
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