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川崎フロンターレ鬼木監督が振り返る2021シーズン。三笘薫と田中碧の移籍後も「誰が出てくるか、期待のほうが大きかった」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

【3つあったポイント】

――鬼木監督自身のところで解決できるとは、采配や戦術変更で改善できるということですか?

「そうですね。試合の持っていき方や選手交代、チームとしてのエネルギーの使いどころを明確にすることによって多少、解決できるのではないかと思っています。あくまでいつもどおりに戦い、相手を攻略し、圧倒するのがベースだとは思っています。大前提として、特別なことをしなくても勝ち進んでいける強さを持たなければいけない。

 ただ、それが難しい時には、状況に応じて戦い方を変えていける強さを身につけていく......とでも言えばいいですかね。ただし、急にこの大会だけ、この試合だけというのは難しいので、日頃からいろいろな選択肢を持って、いろいろなトレーニングをしていかなければいけないと考えています」

――先ほど、選手たちから頼もしさを感じたという話がありました。

「シーズンがスタートした時で言えば、憲剛がいなくなり、結果が出なければ、メディアの方々はどうしても中村憲剛の存在の有無を取り上げますよね。自分としても、そういう状況やプレッシャーを選手たちに抱かせてはいけないと思っていました。

 でも、副キャプテンに任命した脇坂(泰斗)や、ほかにも(大島)僚太からは『憲剛さんがいないけど、それを思わせないような雰囲気を作っていこう』という気概を感じました。アキ(家長昭博)にしても、『ここからが大変ですよね』という話をしてくれていて、決して前に出ていくタイプではないですけど、シーズンを通して背中で見せ続けてくれたように思っています」

――冒頭で「大変」という言葉があったように、2021シーズンを振り返ると、いくつかターニングポイントがあったように思います。鬼木監督が思い浮かべるこの試合やこの時期というのはありますか?

「僕のなかでパッと思い浮かぶのは3つありますね。ひとつ目はJ1開幕の横浜F・マリノス戦(2-0)。ここでコケれば、先ほど話した憲剛の引退や守田の移籍など、前年との違いを指摘されると思っていました。力のあるF・マリノスに勝利したことで、2020年からやりはじめたこのサッカーで戦える確信を、もう一度得ることができた。それはきっと、選手たちも同じだったと思います」

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