川崎フロンターレ・鬼木監督が目指す2022年のサッカー。5レーン、ポジショナルプレーに「こだわりはない」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

川崎フロンターレ 鬼木達監督インタビュー 後編 
(「目の前の相手を倒し続けた」昨季を振り返る、前編はこちら>>)

5年で6つ――。川崎フロンターレが獲得したタイトルの数だ。2017年に鬼木達監督が就任してから、フロンターレはJ1を4回、ルヴァンカップを1回、天皇杯を1回制覇している。そのすべてをもたらした指揮官は、どのような信念でチームを率いてきたのか。鬼木監督がチームを率いるうえで大切にしていること、そしてJ13連覇とACL(AFCチャンピオンズリーグ)の同時制覇という前人未踏の記録に挑む2022シーズンへの思いを聞いた。

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川崎フロンターレの鬼木達監督に、チームを率いるうえで大切にしていることを聞いた川崎フロンターレの鬼木達監督に、チームを率いるうえで大切にしていることを聞いたこの記事に関連する写真を見る

【常に最善の準備をする】

――川崎フロンターレの監督を務めて5年が経ちました。5年で6つのタイトルを獲得していますが、鬼木監督のなかで変わらないこと、変わったことがあるとすれば、どのようなことでしょうか?

「何ですかね(笑)。変わらないものは、1日1日の練習や試合も含め、常に最善の準備をするということになりますね。僕は、結果は気にしないと話していますが、そういうと結果論の話になるのでズルいかもしれませんが、勝負の世界なので仕方がないとも思っているんです。なので、その準備だけは絶対に怠りたくないというか。そこの後悔だけはしたくないので、変わらずにしっかりやっている自負はあります。

 その準備にしても、自分ひとりではできないこともあるので、自分よりもほかのコーチングスタッフのほうが上手にできたり、そこへの知識やパワーがあると感じれば、スタッフに託します。もともと、全部が全部、自分ができるとは思っていないんです。だから、チームとして頼るところは頼りながら、最善を尽くしていく。そのスタンスは、監督就任当初からずっと変わらないところかもしれないですね」

――結果を得るために事前の準備が重要なのは、サッカーだけに当てはまることではないように思います。まだほかにも、鬼木監督が変わらずに持ち続けている信念みたいなものがありそうですね?

「変わらないところとしては、選手を見続けることですかね。練習も含め、常に自分が一番、彼らを見ていたいというか、わかっていたいという思いはあります。だから、そこは準備と一緒で、常に中途半端なことはしたくないと思っています」

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