Jリーグ引退する人、続ける人。中村憲剛&佐藤寿人からのエール「ヤットさんはいつまでもできるぞ」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sponichi/AFLO

中村憲剛×佐藤寿人
第8回「日本サッカー向上委員会」@中編

 1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第8回はJリーグ&日本代表ともに激動だった「2021シーズン」を振り返ってもらった。

◆第8回@前編「J1でもJ2でも個々の能力はそこまで大差はない」はこちら>>

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2022年1月に42歳となるジュビロ磐田の遠藤保仁2022年1月に42歳となるジュビロ磐田の遠藤保仁この記事に関連する写真を見る---- 前編に引き続き2021年のJリーグを振り返っていただきます。寿人さんの古巣である名古屋グランパスは、ルヴァンカップで優勝しました。

佐藤 2010年のリーグ優勝以来ですからね。僕はJ2に降格した2017年に名古屋に移籍して、J1に戻すことには貢献できたと思います。その流れのなかから今回の優勝という結果につながったことを考えると、自分もその道の途中にいられたことをうれしく思います。

 でも、本当の意味で優勝争いをしているフロンターレやマリノスと比べると、まだ差はあるのかなと感じます。守備の部分だけでは正直、限界がありますね。攻撃のところをフォーカスしていかないと、優勝争いは難しいと思います。カップウイナーとチャンピオンは違いますから。チームとして点を取る形を作っていかないと、チャンピオンにはなかなかたどり着けないと思います。

---- 監督交代(マッシモ・フィッカデンティが退任となって長谷川健太が新監督に就任)もそのあたりに理由があると?

佐藤 そうだと思います。もうひとつ上に行くためのジャッジだと思うんで。でも、簡単ではないとは思いますよ。攻撃を作るところは、ゼロをイチにする作業になりますから。

---- 降格したチームについては、どんな印象を受けましたか?

中村 今年は4チームでしたからね。

佐藤 古巣の仙台が落ちてしまいました。でも、去年は特例で落ちなかっただけで、本来落ちる順位にいたチームが上積みができないまま落ちてしまった、ということですよね。

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