Jリーグ引退する人、続ける人。中村憲剛&佐藤寿人からのエール「ヤットさんはいつまでもできるぞ」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sponichi/AFLO

---- そういうサイクルが生まれてきたのは、Jリーグの歴史の積み重ねでもありますよね。

中村 そう思いますよ。僕はいつも思いますけど、みんな望みすぎなのかなと。もちろん望むことはまったく悪いことじゃないと思います。でも、始まってまだ30年です。ヨーロッパなどは100年超えてますから。

 もちろん、その望む想いの強さが日本サッカーの発展を加速させているところもあります。日本人は勤勉で、真面目、いざとなったら瞬間的にがんばれる団結力もある。でも、向こうも向こうで様々な面で進化しています。そこをどう捉えるかでしょうね。

 約30年が経ちましたから、Jリーグの理念や構想のところも30年前のものが部分的にはあると思うので、そこを再度見返して、協議して、世界に追いつくためにこれからどうやってJリーグを発展させていくのか。今の時代に即したものに変えていくフェーズなのかなと思います。

---- 30年目を迎える来季のJリーグはどう変わっていくと思いますか?

中村 多くのチームが変革期を迎えているように見えます。監督人事を見てもそう思います。ヨーロッパを意識したチームが徐々に増えてきた印象です。

 FC東京(アルベルト・プッチ・オルトネダ監督/スペイン)も、広島(ミヒャエル・スキッベ監督/ドイツ)もそうですし、個人的には鹿島(レネ・ヴァイラー監督/スイス)がヨーロッパの監督を招致したことに驚きを隠せません。開幕した頃はブラジル人監督が多かった印象ですが、そこも変化してきているのかなと。

佐藤 でも、助っ人はブラジル人が多いという矛盾もありますよね(笑)。

---- こうした流れが生まれてきた要因は何だと思いますか?

中村 やっぱり、実績のある監督でも苦戦しているのが大きいと思います。

佐藤 そうですよね。今まで結果を出してきた監督は、守備をうまく作る人が多かった。でも、今は守備的なチームが勝てなくなってきましたから。

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