川崎フロンターレ谷口彰悟。3連覇のためには「システムを変える、人を変えるくらいの大胆さが必要」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロスポーツ

【日本代表への復帰】

 谷口は、今シーズン、3年半ぶりに日本代表に復帰した。

 森保一監督になってからは初の選出でカタールW杯アジア2次予選のタジキスタン戦とキリンカップのセルビア戦に出場した。その際、吉田麻也、冨安健洋ら日本のセンターバックのポジションを担う選手たちと顔を突き合わせることでいろんな刺激をもらった。

「ふたりの他にもふだん海外でプレーしている選手はもちろんJリーグでプレーしている選手とも一緒にサッカーをすることができたし、海外は国の文化によってスタイルも違うので、そういうものをサッカーをとおして感じられたのはすごく幸せなことだなって思いました。ただ、自分は代表でもスタートで出たいので、どうやったらスタートで出られるのか。みんなから刺激をもらいつつ、そのことを考えるキッカケにもなりました」

 日本は現在、最終予選で自動的にW杯出場権を得られるグループ2位をキープしている。その順位を維持するために来年1月の中国戦、サウジアラビア戦は、絶対に重要な試合になる。

「最終予選は、現在2位でまだまだ安心できない状況です。初戦に負けて、サウジにも負けて2敗しているので、これ以上負けると厳しくなる。崖っ淵にいると思うので、来年の試合は全部勝つぐらいでいかないとストレートにW杯に行くことは達成できないと思います」

 谷口は、来年1月、カタールW杯最終予選前の親善試合でウズベキスタンと戦う日本代表メンバーに選ばれた。そこでアピールができれば、中国戦、サウジアラビア戦へのメンバー入りが可能になる。

「今年、久々に代表に呼ばれて、日の丸をつけて試合をすることの充実感があったし、その一方で予選の緊張感やプレッシャーなど責任の重さは尋常じゃないと思いました。そこでプレーするにはメンタルを始め、技術、体力を上げて、そういう舞台で戦えることを見せないといけない。今回選出されて、親善試合は間違いなくアピールの場だと思うので、そこで最終予選やW杯でも戦えるというのを証明したい。(チーム内の)競争に勝って、小さい頃から見ていたW杯に出たいと思っています」

 日本代表には、田中碧、三笘薫、守田英正ら海外組も含めてフロンターレの血が流れている選手が多くおり、谷口にとっては、やりやすい環境にあるだろう。日本代表でも十分にやれることを証明できれば、フロンターレでプレーすることが代表入りにもつながることになる。それはフロンターレにとって大きな財産になり、プレーする選手にとっては大きなモチベーションになる。

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