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川崎フロンターレ谷口彰悟。3連覇のためには「システムを変える、人を変えるくらいの大胆さが必要」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロスポーツ

川崎フロンターレの主将を務めるDF谷口彰悟川崎フロンターレの主将を務めるDF谷口彰悟この記事に関連する写真を見る 2021年シーズン、28勝8分2敗で勝ち点92と過去最高の記録を打ち立ててリーグ優勝を果たした川崎フロンターレ。圧倒的な攻撃力で制した昨シーズンと異なり、今年はACLを始め、タイトなスケジュールと主力選手が抜けるなど厳しい状況のなかで掴んだ優勝は、チームにとって大きな財産になったことだろう。数字を見ると今年も強さを示した感じだが、選手はかなりの危機感を覚えてプレーしていたようだ。

「優勝できて、うれしいですが、今年は本当に苦しいシーズンでした」

 谷口彰悟もそう語る。主将が明かしたその苦しさとは、一体どういうものだったのだろうか──。

【大きかった田中碧、三笘薫が抜けた穴】

 開幕以降、川崎特急は、負け知らずで順調に走り続け、東京五輪のための中断まで18勝4分で圧倒的な強さを見せて首位を独走した。だが、東京五輪が終わり、田中碧に続き、三笘薫も海外への移籍が決定し、主力2枚が抜けると雲行きがあやしくなってきた。

「碧と薫は、早い段階で海外に行きたいという話をしていたので、遅かれ早かれチームを離れていくのは覚悟していました。ふたりがいなくなったから勝てなくなったとか、弱くなったと言われるのは悔しいですし、そのポジションに入った選手もそんなことを言われてたまるかっていう気持ちでプレーしていたと思います。自分もふたり抜けて、またチームが強くなるチャンスだとポジティブにとらえていました。ただ、シーズン中での移籍ですし、ずっとレギュラーとしてプレーしていた主力がいなくなったので、多少影響が出るのは仕方ないと思っていました」

 戦力的にもチームの顔としても存在感を示したふたりが同時に抜けた穴はやはり大きかった。また、コンディション的にもウズベキスタンでのACLの戦いの疲労や隔離生活の影響も出始めていた。その結果、東京五輪後に再スタートしたリーグ戦で大分には勝ったが、つづく柏戦(0-0)、広島(1-1)と2試合連続のドローとなり、アウェーの福岡戦(0-1)ではついに今季初黒星を喫した。

「この夏の3試合が一番苦しかったですね。引き分け、引き分けで、福岡に初めて負けてしまって......。自分はケガをしていたので、一番苦しい時期に力になれなかったですし、チーム状態もあまりよくなかったので、みんな相当の危機感があったと思います」

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