今季Jリーグのもったいない選手たち。ピッチでもっと見たかったその高い能力

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

Jリーグクライマックス2021

 大迫勇也、武藤嘉紀、酒井宏樹、長友佑都、乾貴士と、今季のJリーグでは海外組の"凱旋復帰"が相次いだ。

今季途中出場で効果的な活躍をした横浜FMの水沼宏太(写真中央)。「先発で見たい」と思った人も多かったはずだ今季途中出場で効果的な活躍をした横浜FMの水沼宏太(写真中央)。「先発で見たい」と思った人も多かったはずだこの記事に関連する写真を見る なかには海外クラブで出場機会を減らし、やむなく日本に新天地を求めた選手もいるのだろうが、彼らは決して力が衰えたわけではないことをピッチの上で証明している。

 それは恐らく、海外組だけに当てはまることではないだろう。

 Jリーグでプレーする選手のなかにも、図らずもベンチやスタンドで過ごす時間が長くなり、持てる能力を発揮しきれずにいる選手は少なくないはずだ。

 そこでリーグ戦出場時間1000分以下(第36節終了時。以下、記録は同じ)を目安に、今季J1の"もったいない選手"を振り返ってみたい。

 まずは、独走で連覇を果たした川崎フロンターレから、MF長谷川竜也(21試合818分出場)とFW知念慶(21試合572分出場)である。

 長谷川は左サイドを主戦場とするドリブラー、知念はオールラウンドなストライカーとそれぞれ特長を持つ選手だが、若手の台頭や外国人選手の加入などによって出場機会は限られた。

 AFCチャンピオンズリーグも含め、過密日程を戦わなければならなかったチーム事情を考えれば、彼らが欠かせない戦力であったことは確かだろうが、それでもやはり能力に比して出場時間が短かった印象は拭えない。

 また、夏場に川崎を猛追した横浜F・マリノスでも、MF水沼宏太(34試合661分出場)とMF渡辺皓太(24試合870分出場)の"Wコウタ"が挙げられる。

 水沼は攻撃の切り札として、渡辺は中盤のダイナモとして、いずれも貴重な働きを見せてはいた。特に水沼は、精度の高いクロスから多くのアシストを記録しており、いかに彼が必要な戦力であったかは、30を越える出場試合数が物語っている。

 しかし、だからこそ、もったいなさが際立つとも言える。先発でピッチに立ち、もっと出場時間が長ければ、どんな結果を残しただろうか。そんな想像が膨らんでしまう。

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