今季Jリーグのもったいない選手たち。ピッチでもっと見たかったその高い能力 (2ページ目)
その他のクラブに目を向けても、浦和レッズのFW興梠慎三(19試合478分出場)、鹿島アントラーズのMF遠藤康(21試合422分出場)、FC東京のMF髙萩洋次郎(17試合807分出場)と、実績のあるベテラン選手が出場機会を減らしているケースが目につく。
35歳の興梠は、今季大幅に顔ぶれが入れ替わった浦和にあって、新戦力に押し出される形となった。今季リーグ戦で記録したゴールがわずかに1では、あまりに寂しい。
同じく35歳の髙萩、33歳の遠藤にしても、高い技術はいまだ健在で、戦術眼にも優れているものの、若手の台頭や外国人選手の補強が進むチームのなかで、以前ほどの出番はないのが現状だ。
もちろん、もったいない選手の対象となるのは、日本人選手ばかりとは限らない。
ルヴァンカップを初制覇した名古屋グランパスでは、背番号10を背負うMFガブリエル・シャビエル(19試合820分出場)の影が薄くなっている。
左足から放たれる精度の高いキックで次々にチャンスメイクしたのも、今は昔。マッシモ・フィッカデンティ監督の下、守備面で高いプレー強度が求められるようになったチームにおいては、思うように特長を発揮できずにいる。
彼らはみな、いずれ劣らぬ高い能力の持ち主であり、ピッチに立ちさえすれば、これまでの実績にふさわしいパフォーマンスを発揮している。明らかに力に陰りが見えるのなら仕方がないが、そうではないからこそ、もったいないという印象は強くなる。
しかしながら、過去の実績より将来の可能性を重視するならば、恐らく今季J1で最ももったいないであろう選手はほかにいる。
浦和の19歳、GK鈴木彩艶(6試合540分出場)だ。
年齢的には"パリ五輪世代"に当たる鈴木は、それでいながら、今年の東京五輪に"飛び級"で登録メンバー入り。その事実だけでも潜在能力が高く評価されていることをうかがわせるが、今季浦和でのリーグ戦出場はわずか6試合にとどまった(ほかにルヴァンカップで9試合出場)。
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