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欧州からのJリーグ復帰組を査定。誰が一番チームに貢献しているか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Yamazoe Toshio

〇酒井宏樹(マルセイユ/フランス→浦和レッズ)

 帰国組のなかで、現状では最も賞賛に値する選手だろう。その貢献度は、厳しい日程のなかで戦っている(欧州のシーズン後、そのまま東京五輪に出場し、その後は日本代表にも帯同)とは思えない。新チームの戦術を理解しながら、自らのコンディションを調整し、早くもチームの核となりつつある。

 酒井が右サイドバックにいることで、右側の守備全体が安定し、それが左側の攻撃の円滑さも生み出している。確実に失点が減って、得点は増えた。チーム戦術を革新させつつあると言っていいほどだ。

<チームへの波及効果>という点では、特Aランクを与えられるだろう。デビュー戦となったサガン鳥栖戦からFC東京戦までの7試合、チームは6勝1分けで、失点はわずか2。直近の神戸戦こそ5-1と大敗したが、好転したのは明らかだ。

 そしてプレーひとつがスペクタクルでもある。裏に出されたボールに対し、カバーリングで見せる読みのよさとダイナミックさ、カウンターに入って攻め上がる迫力、空中戦で相手を跳ねのける猛々しさは、どれも必見。第30節FC東京戦(1-2で勝利)ではラインぎりぎりでボールを受けると、角度のないところから冷静に流し込んで同点ゴールを決めたが、攻守一体の集中力は世界標準だ。

 まるで大物外国人選手のような別格感を漂わせ、リーグアン・マルセイユで先発を張り続けてきただけのことはあると思わせる。
(つづく)

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