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Jリーグがクライマックス。熾烈なACL出場権争いで抜け出すのはどのチームか (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 9月前半時点での両チームの勢いを振り返れば、横浜FMが川崎との順位を逆転しても不思議ではなかった。しかし、そこからの勝負どころの戦いで明暗が分かれた。

 結果として、川崎は9月18日の徳島ヴォルティス戦から5連勝を記録した。ただし、試合内容は負けていても不思議ではないものが、いくつもあった。先制点を奪われた鹿島アントラーズ戦は後半38分に山村和也、試合終了間際に宮城天の決勝ゴールで逆転勝ち。続く湘南ベルマーレ戦も先制点を奪われて追いかける苦しい展開になったが、それでも試合をひっくり返して勝ち点3を積み上げた。

 川崎が苦しい内容でも勝ちを拾っていったのに対し、横浜FMは9月18日からのJリーグ3試合を1勝1敗1分け。ACL圏内を狙う名古屋グランパス戦を1-2で落としたのは痛かったが、それ以上に響いたのが9月25日の横浜ダービーでの引き分けだろう。最下位の横浜FCから勝ち点3を取りこぼしたことで、川崎との勝ち点差が開いてしまった。

 優勝は川崎でほぼ間違いないと思うが、下駄を履くまで何が起きるかわからないのが勝負事でもある。12月4日のJ1最終節には川崎と横浜FMの直接対決が組まれている。そこまで優勝争いがもつれ込めば、リーグはさらに盛り上がるのだが、果たしてどうなるか。

 来季のACL出場権(3位まで。天皇杯優勝クラブと1~3位までのチームが重複した場合は、4位まで)をめぐる争いは、優勝争い以上に目が離せない。3位ヴィッセル神戸と4位名古屋が勝ち点57で並び、勝ち点54の5位浦和レッズ、勝ち点53の6位鹿島が追いかけている。

 最右翼にいるのが神戸だろう。この夏に日本代表FWの大迫勇也(前ブレーメン)、元日本代表のFW武藤嘉紀(前エイバル)、元スペイン代表のFWボージャン・クルキッチ(無所属)を獲得。

 10月2日の浦和戦は、前線に世界レベルのタレントを加えた効果が如実に表れた。大迫、武藤、ボージャンの3選手とアンドレス・イニエスタが揃ってゴールを挙げ、ライバルを5-1で粉砕。このままイニエスタを中心とした攻撃陣が躍動していけば、ACL出場権を手にすると思う。

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