J1復帰が見えてきた。今のジュビロ磐田には失点してもビクともしない強さがある

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 2シーズンぶりのJ1復帰へ向け、ジュビロ磐田の足取りが一歩ずつ力強さを増している。開幕直後には行く手を阻んでいた深い霧もすっかり晴れ、今は目指す山頂がはっきりと視界にとらえられているはずだ。

 J2第29節、磐田はジェフユナイテッド千葉に3-1と勝利し、ガッチリと首位をキープ。その一方で、3位グループを引っ張っていたアルビレックス新潟とFC琉球がそろって敗れたため、勝ち点62の磐田は、3位との勝ち点差を11まで広げている。

 2位の京都サンガとの勝ち点差はわずか1と、依然僅差の優勝争いが続いているが、磐田にとって絶対に外せないターゲットはJ1昇格、すなわち2位以内の確保である。長丁場のJ2も残すところ13節であることを考えれば、勝ち点11のリードはかなり大きなアドバンテージと言えるだろう。

ジェフユナイテッド千葉に逆転勝ちし、J2首位の座をがっちりとキープしたジュビロ磐田ジェフユナイテッド千葉に逆転勝ちし、J2首位の座をがっちりとキープしたジュビロ磐田この記事に関連する写真を見る 今季開幕当初は、前途多難を思わせるスタートだった。

 開幕戦でいきなり敗れた磐田は、第5節を終えて2勝3敗と黒星が先行。昇格候補と目されながら6位に終わった、昨季の二の舞を想像させた。

 しかし、その後は第10節までの5試合を4勝1敗で乗り切ると、徐々に失点を減らし、安定した戦いぶりで勝利を重ねられるようになっていった。

 それがほぼ完璧な形で結果となって表れたのが、第14節からの8連勝。しかも第14節から第20節までに限れば、すべて無失点での7連勝である。

 磐田を率いる鈴木政一監督も当時、こんな言葉で手応えを口にしている。

「失点ゼロでずっと来ているし、少しずつ(得点の)チャンスも増えている。チームが少しずつではあるが、レベルアップしてきているのは感じている」(第17節、ギラヴァンツ北九州戦後)

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