J1復帰が見えてきた。今のジュビロ磐田には失点してもビクともしない強さがある (2ページ目)
結局、8連勝が始まった第14節以降、磐田が敗れたのは第23節モンテディオ山形戦の1試合だけ。首位にふさわしい強さを見せつけている。
しかも、現在の磐田にちょっとやそっとでは揺るがない強さを感じるのは、ひとつの勝ちパターンだけに頼っていないからだ。
シーズン前半の磐田が、まずは手堅いサッカーを選択し、先に失点しないことで軌道修正を図ったのは確かだとしても、今の磐田はむしろ逆。先に失点してもビクともしないところに、一層の強さがある。
直近の千葉戦にしても、そうだった。
序盤から一進一退の展開が続いていた試合は、どちらの狙いがより色濃く表れていたかと言えば、千葉のほうだっただろう。案の定、前半終了間際に千葉が高速カウンターからPKを得て、先制点を奪っている。
だが、失点についてはリスク管理を課題に挙げながらも、「基本的には、いいリズムでのサッカーは悪くなかった」と鈴木監督。どっしりと構え、戦況を見つめていた指揮官はこう語る。
「サッカーには当然ミスがあり、いろんな失点ある。だが、勝つチームは(失点しても)2点、3点ととって勝ち切る。そういうチーム作りができればと、いつも思っている。今日のゲームは、その見本みたいなものだった」
鈴木監督の言葉どおり、後半65分、相手DFのイージーミスに乗じる形ではあったが、DFラインの背後へ飛び出したDF小川大貴がゴールを決め、まずは同点。その後も攻勢に試合を進めるなかで、84分には左サイドを完璧に崩し、DF高野遼のクロスからFWルキアンが決めて勝ち越し。さらには、90+2分にもカウンターからルキアンがダメを押して、敢闘の千葉を退けた。
「ちょっとのミスで流れがガラッと変わってしまった」
千葉のユン・ジョンファン監督はそう語り、惜しい敗戦を悔やんだ。だが、裏を返せば、わずかなスキをも見逃さず、しかも一度引き寄せた試合の流れを完全に我が物にしてしまう強さが、今の磐田にはあるということだ。
2 / 3