Jリーグ6・7月のベストイレブンを選出。海外移籍したFWの活躍が目立った (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayma Atsushi

 四兄弟の三男にあたる酒井宣福は、酒井高徳(ヴィッセル神戸)を兄に持ち、ドイツの3部でプレーする酒井高聖を弟に持つ、サッカー一家に育った28歳のアタッカー。これまでは主にJ2でプレーし、今シーズンから鳥栖に加入した。

 まだレギュラーの座を射止めたわけではないが、サンフレッチェ広島戦(第21節)の途中出場での同点ゴールのあと、東京五輪で林大地が不在の間に2ゴールを重ねたのは大きな自信になったはず。ゴール量産のきっかけをつかんだのかどうか、今後のプレーは要注目だ。

 トップ下と両サイドMFには、ポジション的に多少強引ではあるが、4勝1分と勝ち点を大きく伸ばしたFC東京から、その原動力となったブラジル人トリオを選出した。

 そのなかでも、圧巻のパフォーマンスを見せているレアンドロは、シーズン序盤から不振にあえいでいたチームの救世主と呼ぶに相応しい活躍ぶり。3-3の打ち合いとなったセレッソ大阪戦(第21節)で決めた鮮やかな直接フリーキックが印象的だが、この2カ月で決めた3ゴール以外にも、攻撃の軸をなすハイパフォーマンスを続けている。

 同じく、5試合で2ゴール2アシストをマークしたディエゴ・オリヴェイラも、ここにきてキレを取り戻しつつあり、アダイウトンも悪癖でもある好不調の波がなくなったのは明るい兆し。巻き返しを図るFC東京にとっては、3人とも重要な戦力と言える。

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 アンカーポジションには、好調神戸の攻撃を後方から司るセルジ・サンペールを選びたい。とくに横浜FC戦(第19節)と湘南ベルマーレ戦(第21節)で見せた古橋への美しいピンポイントスルーパスは、その能力の高さを証明するプレーだった。同胞のアンドレス・イニエスタが故障がちなのも影響しているのか、昨シーズン以上に責任感を感じさせるプレーぶりが目立っている。

 3バックの中央には、セールスポイントでもある安定した守備を取り戻しつつあるFC東京の重鎮、森重真人を選出。毎試合、ミスの少ない安定したパフォーマンスを見せ、周囲に好影響を与える存在感は相変わらず。ブラジル人トリオに匹敵する活躍ぶりと言える。

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