川崎フロンターレ、3週間のACL遠征終了。脇坂泰斗が「驚きました」という部屋での出来事とは? (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

プールを使ってコンディションを調整するジェジエウプールを使ってコンディションを調整するジェジエウこの記事に関連する写真を見る もともと喉が弱かったこともあり、脇坂はまさに加湿器を持ち込んでいたひとりだった。

「寝るときは加湿器に加えて、濡れタオルも干してダブルで対策していました。びしょびしょすぎるかなって思うくらいタオルを濡らしているんですけど、朝起きるとカラッカラになっているんですよね。ちょっとそれには驚きました(笑)。

 ガムについては、自分としてはプレーしにくいところがあったので、1日やってみたうえでやめました。トレーニング後に身体を冷やすことができずに最初は困りましたけど、氷を使わずにシャワーを水にして対応したり、プールで身体を冷やしたりしました。だから僕の感覚としては、何とかなるんだなって。

 日本にいる時とは確かに違いますけど、そこでどれだけストレスを感じないようにできるかが大事。それには常日頃からシノさん(篠田)をはじめ、いろいろな人にアドバイスをもらい、試してみて自分自身で取捨選択していくことをしていました。あらためて、そこが大事なんだなと思いました」

 選手全員はもちろん、スタッフも含めた総勢55人でウズベキスタンに乗り込み戦ったACLで、チームとして成長した部分はあるかと聞けば、脇坂は首を横に振った。

「チーム全員でウズベキスタンに来られたのは、間違いなくフロンターレにとってポジティブで、それがうまく出せたグループステージだったと思います。でも、この大会に来てチームが成長したとか、総合力が上がった、ということはないというか。もともと、持っていたチームとしての層の厚さ、常日頃からやっているひとりひとりの意識の高さが出た結果だと思っています。

 若手の追随を許さない先輩方、そこに着いていこうとする年下の選手たち。それを支えてくれる監督やコーチといったスタッフの人たち......いろいろな人の気持ちがひとつになっているのが、フロンターレだと僕は思っているんです。だから、ACLに来て変わった、成長したということはなくて、本来持っていた力をここで見せられた期間だったかなと思っています」

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