川崎フロンターレ、3週間のACL遠征終了。脇坂泰斗が「驚きました」という部屋での出来事とは? (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

 それによって、残りの4日間で初戦に向けてコンディションを上げていくことができました。海外遠征に来ると少し体調を崩してしまう選手もいるので、調整する時間があったのはかなり大きかったと思います。試合がはじまり、中2日の連戦になってからは、ある程度出場時間を考慮しながら、次の試合、次の試合と準備できました。

 試合翌日は大きく2つのグループに分けて、試合に長く出た選手は少し身体を動かしてリカバリーする。もう一方のグループは、次の試合に向けてコンディショニングを上げていく。そうした状況が作れたのも、フロンターレには信頼されている選手が多くいるので、試合ごとにチーム全体をうまく回すことができた結果だと感じています」

 3戦目が終わったあとには、選手たちの疲労を鑑みて、トレーニングというよりは遊びの要素を取り入れたミニゲームなどを行なうことで、選手たちの心身をリフレッシュさせる時間を作ってもらったと篠田コーチは話す。フィジカルだけでなく、メンタルにも目を向けながらの6連戦だった。

「コンディション作りに関していえば、持ってくるものは本当に必要最低限だったのですが、幸い施設にはジムがあったので、こちらを有効活用させてもらいました。プールや卓球台もあったので、制限があるなかでも使えるものを上手に使って、選手たちにリフレッシュしてもらい、身体の回復についても取り組んできました。

 クラブハウスにいれば、それこそ交代浴ができたり、クライオセラピーができたりするのですが、こちらではそれはできない。ならば、ホテルに頼んで氷をもらってきて、それをバスタブに入れてアイスバスの代わりにする。スポンサーである『BARTH』から提供してもらった入浴剤を活用して選手の疲労回復を促したことも、そのひとつです。

 練習時間も1時間半と限られていたので、できないことはできない。だからこの状況下で、何ができるかを常に考えて取り組んできました」

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