中村憲剛と佐藤寿人に聞いた「Jリーグでギラついている若手FWは誰?」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

中村 守備もスペースメイクもやって、自分は点を取れなかったけど、チームは2−0で勝った。その時に、「クソ、点が取れなかった」と悔しがる選手が育ってほしいですね。やっぱり得点王になった選手は、みんなギラついてましたよ。ジュニーニョも、嘉人も、(小林)悠もそうだった。

佐藤 そういう思いでやらないと、ポジションはなくなりますからね。一番、外国籍選手が入ってくるポジションですから。結果を出せなければ、外国籍選手に取られてしまう。でも、若い選手からそういう危機感をあまり感じないんですよね。

中村 その危機感を持てるかだよね。あとは、プロでアジャストできるかどうかも大事。育成年代の時にうまくやれていたことが、プロでは通用しないこともある。その時にどう変化させていくか。

 この前、DAZNの番組で鈴木優磨(シント・トロイデン)が面白いことを言っていて。日本にいた時はポストプレーなど、体をぶつけながらのプレーを全然やれていたんだけど、ベルギーでは簡単にはじき返されるから、いかに当たらないでプレーするかを考えるようになったと。そういう思考に変わったら、点が取れるようになったと。

 彼の中でアジャストしていったということ。日本で培ってきた形はあったけど、その形が通じない時にどうやって対応していくか。彼の考え方は、子どもたちにも参考になると思いますよ。今の点の取り方をその先にどうやってつなげていくか。それは通用している時から考えないといけないことだと思います。

---- 同じFWの佐藤さんも、そんな時がありましたか?

佐藤 ずっとですよ。今日の試合で点を取りました。じゃあ、次の試合でも同じ形で取れるとは限らない。常に次のゴールを奪うために求めていかないといけないんです。いろんなことに目を向けて、耳を傾けて、チームメイトとも共有していかないといけない。

 小さいゴールのアイデアがどこかに落ちていないかと、常に探していましたし、そうじゃないと点を取り続けることはできないんです。たとえ20点を取ったとしても、次の年に点を取れるかなという不安しかなかったですから。

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