川崎フロンターレ、ACLぶっつけ本番遠征の舞台裏。谷口彰悟「最悪のケースや環境も覚悟していた」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

 経由すれば、それだけ新型コロナウイルス感染症のリスクを負うことになるし、移動時間が長くなると選手のコンディションにも影響を及ぼすことになる。時間はないまでもベストを尽くす。クラブは手段を模索した。

「費用面のこともあるので、通常便で行った場合はどのくらいの費用がかかるのか。チャーター便を手配した場合はどのくらい費用に差額があるのか。その確認から始めました」

チャーター機のなかでくつろぐ旗手怜央チャーター機のなかでくつろぐ旗手怜央この記事に関連する写真を見る 滞在期間は3週間にもなる。集中開催ということもあり、チーム全員で乗り込むため、かなりの荷物になることが想定された。

「昨年コロナ禍でACLに参加したほかのクラブにも、事情や情報をヒヤリングさせてもらいました。荷物にしてもかなりの量になります。通常便で行けば、超過料金を取られることはわかっていたので、チャーター便を手配したほうが、その費用は抑えられることになる。

 いろいろな物差しで比較していった結果、チャーター便を手配したほうが、メリットが大きいのではないかという結論に至りました。そのタイミングで、同じくウズベキスタンで試合をするガンバ大阪さんもチャーター便で移動する話に乗ってきてくれたので、それならばチャーター機をシェアしましょうということになりました」

 そこから航空会社を探してJALに決定すると、機体の大きさを相談した。川崎だけでもスタッフも合わせ総勢55人の大移動だった。

 さすが、と言うべきだろう。在籍8年目でキャプテンを務める谷口は、そのあたりも把握していた。

「ウズベキスタンへは直行便がないという話は聞いていました。だから、当初はトランジットしなければならないとも言われていたんです。でも、結果的にチャーター機を手配してくれたので、移動の疲れやコンディション面は全然、違いましたね。

 ガンバと一緒の飛行機だったので、席も半々で、全員がビジネスクラスに乗れたわけではなかったのですが、それでも半日で現地入りできたので、いつものACLの遠征と比べても移動の負荷はなかったと思います。

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