土居聖真が小笠原、内田、曽ヶ端から学んだ「鹿島イズム」の真髄

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

土居聖真(鹿島アントラーズ)インタビュー@後編

 ジュニアユース時代から数えれば、鹿島アントラーズに在籍して17年目、トップチーム昇格から数えても11年目になる。初々しいころから見守ってきたファン・サポーターにとっては、土居聖真が29歳になったと知れば、年月を感じることだろう。

 その年月はプレーの頼もしさとなり、チームを背負う気概は言葉の重みとして、端々から感じ取ることができる。

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土居聖真はジュニアユース時代から数えると在籍17年目土居聖真はジュニアユース時代から数えると在籍17年目この記事に関連する写真を見る 今や誰よりも鹿島を知るだけに、「3年前」という単位を聞いて、触れないわけにはいかなかった。3年前の2018年は、クラブのレジェンドである小笠原満男がスパイクを脱いだタイミング。土居の意識が変わったことと無関係ではないのではないか----。実際、彼は小笠原の引退会見にも足を運んでいたからだ。

「一緒に過ごしてきた財産は、ずっと変わらず自分の心にあるので、それがあればいいと思っていました。でも、純粋に(引退会見に)行ったら喜んでもらえるのではないかとも思ったんです。いつか自分が引退する時にも、後輩が来てくれたらうれしいですからね。

 そうした思いもあったので、満男さんの時も、(内田)篤人さんの時も、ソガさん(曽ケ端準)の時も引退会見に行きました。満男さんの時は『やっぱりやめません』って言わないかなぁと思っていたんですけど、言いませんでしたね」

 その2018年に小笠原を見送ってから、昨年8月には内田、同12月には曽ケ端と、クラブのレジェンドが引退する瞬間を見届けてきた。今の土居がチームに対して厳しい言葉を投げかけ、チームのことを考えて行動する姿勢には、そうした先輩たちから受け取ったメッセージがある。

「満男さんとは同じ東北人だからか、感じること、思っていることが似ている部分がありました。人を見ていないようで見ていた人でしたから。全体が見えていたんだと思います。

 自分も齢を重ねて、昔はわからなかったものがわかってきた。それはチームメイトのことだけではなく、鹿島アントラーズというクラブ全体が見えるようになってきたこともひとつ。だから、いいところだけでなく、もっとこうしたほうがいいと思う部分も含めて、自分も補うことができればと思うようになった。いいところも悪いところも盗んで大きくなろうと。

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