負けてなお強し。アルビレックス新潟のJ2首位快走にはワケがある (2ページ目)
しかし、13戦無敗は伊達ではない。新潟はここからが強かった。
町田の果敢なプレスに手を焼いた試合序盤を経て、前半半ばから徐々に前方向へとボールが動き始めると、新潟の攻撃は後半開始から一気にギアアップ。完全にボールを支配し、町田を自陣に閉じ込めた。
とりわけ新潟の強さが感じられたのは、高い位置での攻撃から守備への切り替えの速さである。
最終ラインからボールを大事につないで攻撃を組み立てるだけでなく、新潟は一度ボールを失ったあとの奪い返しも速かった。これでは、町田もどうにか守るだけで精一杯。カウンターで追加点を狙うどころではなかった。
結果的に新潟は、キャプテンのDF堀米悠斗が豪快な左足シュートで1点を返すにとどまり、逆転はおろか、同点に追いつくこともできなかった。
だが、「少なくとも引き分けるに値するチャンスは多く作れていた」とアルベルト監督。実際、必死で逃げ切りを図る町田に対しても、いくつかの決定機を作り出しており、相手を蹂躙するような攻撃には迫力があった。
「やりたいサッカーをやっていれば、相手がキツくなる」
堀米が口にした、そんな言葉からも決して小さくはない自信がうかがえる。今季初めての敗戦も、内容的に見れば、それほど悪くない負け方だった。
今季の新潟が好調に首位を走ることができている最大の要因をあげるとすれば、昨季アルベルト監督が就任して以来継続してきた、スタイルの確立にあるのだろう。
ボールを支配し、敵陣で攻守を繰り返す――。目指すスタイルの成果は、勝ち点33だけでなく、J2最多を誇る総得点32にも表われている。ピッチ上の選手たちがバランスよく立ち位置を取り、連動した攻守を繰り返すことができているからこその数字だろう。
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