湘南GK・谷晃生が大谷翔平に憧れるわけ。世界で活躍する野心は隠さない (2ページ目)
「昨シーズンは18位。不甲斐なさと悔しさを感じました。湘南はもっと上にいけるクラブですし、これまで経験させてもらったことを応援してくれるファン、サポーターに結果で恩返ししたいです」
また、1年間J1でプレーした経験は非常に大きかったと谷は言う。
「試合でしかないシチュエーションとかプレーが絶対にあるので、そういうのをどれだけ経験できるか。昨年プレーして、いろんな予測を立てられるようになった」
谷が昨年から言い続けていたのは「準備と予測」である。
「ゴールを守るためには、しっかり準備しないといけない。そのためには予測も必要になってきます。なかでも意識しているのがポジショニングです。ポジショニングがよければ、多くのシュートを止められますし、プレーの幅が広がる。いいポジショニングをとれている時は見える部分が多いので、予測が立てられる」
試合経験を積むことで「準備と予測」は洗練されていくのだが、谷のプレーにもいくつか変化が見られた。たとえば、シュートを防ぐシーンでの構えが非常にリラックスしていて自然体になった。
「今までは力が入ってしまって、うまく自分のパワーを発揮できなかったんです。なのでリラックスした状態で力を発揮できるように取り組んできて、試合に出続けることでそれができるようになってきました」
そうしたシュートストップの技術をはじめ、GKとしての厚みを増していった谷は、メンタルも強くなったという。
「自分のミスで失点した時は顔に出さないようにしていますけど、もともとそういうところが弱かったんです。ユース時代は自分のミスで失点すると、悪い方向にいっていたんですが、今は立て直せるようになりました」
そう語る表情は自信に満ちあふれていた。心技体が充実している証だろう。
まだ20歳の谷だが、2年前に選手として大きなターニングポイントを経験している。
「肩を脱臼した時ですね」
2019年2月に肩を痛め、4月に脱臼して手術を行なった。
「ケガでU-20W杯やコパアメリカに行けず、自分が何もできないなか、同世代の選手が活躍して......正直、うらやましいなと思って見ていました。彼らの活躍は刺激になりましたし、体やプレーについていろいろと考えさせられました」
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