「自分の殻を破るため」ヴィッセル古橋亨梧に芽生えた新たな意識とは (2ページ目)
それは、初出場となったACLについても同じだと言う。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、途中から大会方式が変更された同大会。古橋はセントラル開催になってからの初戦、グループステージの広州恒大戦で先制ゴールをマークすると、準々決勝の水原三星戦でも度肝を抜くFKで存在感を示したが、彼の中に色濃く残ったのは、延長戦の末に敗れた準決勝の蔚山現代戦だったと言う。
「リーグ戦で決めきれない試合が続いていた状況で臨んだACLでしたが、初戦の広州戦でゴールを決められたことで、自分自身も、チームも勢いづいたところはありました。ただ、準決勝の蔚山現代戦は勝てた試合だったし、ましてや僕が強気でシュートを打っていればゴールが決まったかもしれない、というシーンもあったことを考えれば、不甲斐なさも残りました。
せっかく"アジアナンバーワン"への挑戦権をつかみかけていたのに......あそこで弱気なプレーを選択してしまった自分が情けない。その弱さが結果を分けたと思っています」
それもあってだろう。今シーズンは自分に対してプレッシャーをかけるために"結果"に対する捉え方を、あえて変化させていると言う。目標は昨年と同じ、ゴール数とアシスト数での「ふた桁・ふた桁」としながらも、ゴール数については昨年を上回る「15」と明言した。
「自分自身がまだ到達したことのない15ゴールと、昨年は届かなかったふた桁アシストを目指します。そのためには、単純にシュートを必ず枠に飛ばすことを意識するとともに、よりシュートに対する貪欲さが必要だと思っています。
だからこそ、これまでの3シーズンはどちらかというと応援してくださるみなさんやチームのために、という意識でゴールを目指してきたんですけど......そこは継続しつつ、プラスアルファーとして、今年は自分の殻を破るために『自分のために』ということを意識したい。それによって、より自分に対しても厳しく向き合えるはずだし、どういった状況でも必然的にゴールに直結するプレーの選択を意識するようになると思うからです。
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